●宝飾家・技術者ふたつの顔を持つ創業者の思いを引き継ぐ

　ニューヨークに本拠地を置くブローバは、クラフトマンシップと革新性、そしてテクノロジーの融合を目指す時計ブランド。その起源は創業者であるジョセフ・ブローバが、ボヘミア（現在のチェコ）から新大陸・アメリカに移住した1875年に遡ります。

　ジョセフはニューヨーク・マンハッタン南端部のメイデン・レーンに宝飾店「J.ブローバ」を開業します。

　ジュエリーのエレガンスを愛すると同時に、自転車に関する特許を取得するほど発明とテクノロジーにも関心を寄せる技術者でもあったジョセフでしたが、彼の理念は1912年に設立された時計工房にも引き継がれます。

　ウオッチブランドとしての「ブローバ」は、徹底した生産管理や規格化を実現することで、高水準のタイムピースを手の届きやすい価格で提供し、またたく間にアメリカを代表するブランドへと成長。世界で初めてのCMを制作したウオッチブランドとしても知られています。

●人類初の月面探査を支えたクロノグラフを再現

　最初に紹介するのは、2023年6月16日に発売予定の「ルナ パイロット クロノグラフ」（9万9000円、消費税込）。

　本作はブローバの復刻モデルコレクションである「アーカイブス」シリーズに新たに加わるクロノグラフで、43.5mm のステンレススチール製ケースとブルーとホワイトのツートンカラーが印象的です。

　そのオリジンは、人類史上始めてムーンランダー（月面車）による月面探査を行った際、アポロ15号の船長であるデイブ・スコットの腕に巻かれていた「ルナ パイロット クロノグラフ」。

　新作では当時のBULOVAロゴやデイト表示のない文字盤など当時のスタイルを忠実に再現しつつ、ムーブメントには1/20秒で計測可能なハイパフォーマンスクォーツ クロノグラフムーブメント（NP20）を搭載するなどなかなかのハイスペック。

　1950年代より70年代までNASAの要請で宇宙開発事業に携わり、その高精度の計時技術で数々の重要ミッションを支えてきたブローバならではのモデルと言えます。

●ハイスペックとラグジュアリーなマリンエレガンスの融合

　次に紹介するのは5月に発売された、ネイビーをテーマにした「マリンスター」。

　メカニカルウオッチで20気圧防水という実用時計を確保しながらも、気品にあふれた表情とラグジュアリーなデザインは、宝飾業からスタートしたブローバらしさを感じさせます。

「96A303 Marine Star」（6万8200円、消費税込）は、7時位置のオープンハートが印象的なモデル。テンプの動作を小窓から眺められるだけでなく、ダイアル全体がハーフスケルトン仕上げされるなど小技も効いています。

　オープンハートに5時位置のスモールセコンドを組み合わせた「98A303 Marine Star」（6万7100円、消費税込）は、オレンジの差し色が効いた3針仕様。どちらもネイビーカラーをまとったシリコンラバーストラップを採用。

　今回紹介した3モデルとも、アンダー10万円を実現。手に取りやすいプライスにも注目が集まります。

●製品仕様
■「アーカイブスシリーズ ルナ パイロット クロノグラフ」
・価格、消費税込：9万9000円
・ムーブメント：ハイパフォーマンスクォーツ、クロノグラフ
・ケース径／厚：43.5mm／13.21mm
・ケース素材：ステンレススチール
・ストラップ素材：ステンレススチール
・防水：5気圧防水
・風防：サファイアガラス
・付属品：替えレザーストラップ、スペシャルボックス

■「96A303 Marine Star」
・価格、消費税込：6万8200円
・ムーブメント：機械式自動巻き
・ケース径／厚：45mm／15mm
・ケース素材：ステンレススチール
・ストラップ素材 シリコンラバー
・防水：20気圧防水
・風防：ミネラルガラス

■「98A303 Marine Star」
・価格、消費税込：6万7100円
・ムーブメント：機械式自動巻き
・ケース径／厚：45mm／13.45mm
・ケース素材：ステンレススチール
・ストラップ素材 シリコンラバー
・防水：20気圧防水
・風防：ミネラルガラス