注目のトヨタ新型「ランドクルーザー250」はどんな歴史を背負う? なぜ「プラド」の名が消滅!? その系譜とは
1990年に登場した初代「プラド」の系譜
20223年8月2日に、全世界で一斉に公開されたトヨタ新型「ランドクルーザー250」。そのスタイリング、機能はランクルファンのみならず、多くの自動車ファンに衝撃を与えました。

すでにSNSなどでは高評価が多く、「欲しい!」という声が多く見られます。同時に、ネット上に多く見られるのが、“なぜプラドの名前が消えた?”という疑問です。
新たに登場したランドクルーザーは、オーストラリアなど一部の仕向け地を除いて、すべて250系というランクル伝統の系統番号で呼ばれることになりました。これには歓迎するランクリストも多いようですが、一方で“寂しい”と嘆くプラドファンも少なくないようです。
そもそもランドクルーザープラドは、“四駆ブーム”真っただ中の1990年に誕生しました。
その頃のランドクルーザーシリーズは、60系、70系ともに貨物車ナンバーが主流で、60系にはワゴン登録(3ナンバー)がありましたが、サイズが大き過ぎるという声が少なくありませんでした。
その当時の四駆といえば、三菱「パジェロ」が市場を席巻しており、続いていすゞ「ビッグホーン」やランドクルーザーがシェアで凌ぎを削っていたのです。
パジェロが人気だったのは、パリ・ダカールラリーのイメージ戦略もありましたが、5ナンバー、3ナンバーといった乗用車登録だったことです。1ナンバーや4ナンバーは毎年車検を受ける必要があり、しかも60系や70系のメイングレードは1ナンバーだったため、高速道路料金が高かったのです。
そこでトヨタが採った策が、「70ワゴン」の設定です。70系のシャシを軽量化したものに、ハイラックスサーフのパワートレインを載せて、5ナンバー車を造ったのです。これにより、車検や高速料金で利点があるだけでなく、リアシートがリクライニングできるというユーザーメリットもありました。
そのスタイルは、今回ランクル250系と同時に発売された新型ランクル70系に似ていましたが、当時は初代70系がカタログモデルとしてあったため、人気はいまひとつ。加えて、ボディサイズが小さく、ロングボディを持っていたパジェロやビッグホーンと比較すると、どうしても見劣りしていたのです。
そこでトヨタは、パジェロのシェアを奪還すべく、8人乗り5ドアロングボディの新型車を市場に送り込んだのです。これが、ランドクルーザープラドです。
ポルトガル語で「平原」という意味のマスコットネームを付けることで、ランドクルーザーという堅いイメージを払拭させる狙いがあったのと同時に、当時のライトな四駆ユーザーに新しい選択肢を提案したのです。
プラドはこのロングボディと、従来の70ワゴンの顔を変えた5人乗り3ドアボディも用意。エンジンは2.4L直4ガソリンと2.4Lディーゼルターボを用意。パジェロやビッグホーンにはスペック的に敵わなかったため、後に2.7L直4ガソリンと3Lディーゼルターボに換装しています。
それまでユーザーの間で硬派なイメージの強かったランドクルーザーも、プラドの登場によってライトユーザーに受け入れられ始めます。市場ではパジェロと互角の戦いを始めますが、96年に登場した2代目(90系)は当時のパジェロにソックリだったため、市場での評価は賛否両論に分かれました。
しかし、販売的には成功を収め、2002年登場の3代目(120系)、2009年登場の4代目(150系)も、時代の変化に上手く対応しながら、ライバルたちが消えゆく中で生き残りました。
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