スクラップ車が2億7000万円で落札!? 70年前の事故車フェラーリにはどんな価値がある?
1954年に製造されたフェラーリ500の13台のうちの1台
今年も8月に米国カリフォルニア州ペブルビーチで開催された「モントレーカーウィーク2023」。これは世界中からクルマ好きが集まることで有名なイベントですが、そのイベントのひとつとしてRMサザビーズが「モントレーセール」と題したプレミアオークションが開催されました。

今回もさまざまな歴史的名車が出品されてましたが、なかでも注目されたのが1台のスクラップ車、1954年製「フェラーリ500 モンディアル スパイダー シリーズ1 byピニンファリーナ(Ferrari 500 Mondial Spider Series I by Pinin Farina)」です。
RMサザビーズでの落札予想価格は120万ドル(日本円で約1億7500万円)から160万ドル(約2億3400万円)と見積もられていましたが、フタを開けてみると予想を大幅に超える187万5000ドル(約2億7400万円)という高額で落札されました。
見た目はただのスクラップ車にしか映らないのですが、このモデルはなぜ高額で落札されたのでしょうか。そして、フェラーリ500 モンディアル スパイダー シリーズ1 byピニンファリーナとはどんなクルマなのでしょうか。
モントレー・オークションで高額落札されたフェラーリ500 モンディアル スパイダー(シャシ番号:0406MD)は、1954年に製造された13台のうちの1台で、ピニン・ファリーナ・スパイダーの車体で完成した2番目のモンディアルです。
フェラーリ500 モンディアル スパイダー(シャシ番号:0406MD)は、1954年に製造されたわずか13台のうちの1台で、ピニン・ファリーナ・スパイダーの車体で完成した2番目のモンディアルです。
このモデルはフェラーリの直列4気筒エンジン搭載のスポーツカーで、1954年に元スクーデリア・フェラーリ チームドライバーのフランコ・コルテセ選手がコッパ・デッラ・トスカーナレースに出場した1台だといいます。そしてその後、イモラGPやミッレミリア、タルガ フローリオなどさまざまなレースに出場した記録が残っています。
この500モンディアルは1958年に米国に輸出され、1962年10月に開催されたエバーグリーントロフィーレースに出場。エンジンは米国製のV8に換装されました。その後2年間のレース活動中にクラッシュ、車両火災による損傷を受けました。
その後はおよそ45年もの間、知られることなく保管されていたといいます。このモデルは工場で生産された際のシャーシプレートを引き続き装着しており、リアアクスルコーナーや一致する番号のギアボックスなどのコンポーネントが付属しています。またフェラーリ 750 モンツァで使用されていたような、より大型の 3.0リッター「Tipo 119 Lampredi」直列4気筒エンジンも搭載されています。
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つまり、オリジナルのボディを証明するシャーシプレートが付いた「本物」というところが、高額落札された理由です。さらにシャシ番号0406MDのフェラーリ500モンディアルスパイダーには、元の工場製造シートおよび CSAI認証書類のカラーコピーも付いているため、いくら見た目は鉄くずのようでも、レストアすれば、完成車はレプリカではなくオリジナルモデルとして大変価値のある1台となります。
本物の500モンディアルは非常に貴重で、2019年に開催されたRMサザビーズ主催のオークションでは、フェラーリ・クラシケでレストアされ、エンジン、ギアボックス、ボディがオリジナルを維持しているピニンファリーナ製スパイダーのうち12番目に製造された500モンディアルスパイダーが371万7500ユーロ(現在のレートで約5億9000万円)で落札されています。
もちろん、この状態から完全に走れるようになるには大幅な修復が必要である、とRMサザビーズも認めています。ただし「道のりは非常にやりがいのあるプロセスになることが約束されています」としており、今後コンクールデレガンスやビンテージレースイベントなどで注目の1台になるとしています。
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