「グーグルマップ」が狭い道を案内してしまうのには理由があった!? 圧倒的な利用率を誇る 人気無料地図アプリの“泣き所”とは?
目的地検索は他の地図アプリを寄せ付けない便利さのグーグルマップ
Googleマップを使っていて、案内中に突然、すれ違いも難しい狭い道を案内されて戸惑った経験がある人も多いはず。数年前まではそんなことはなかったのに、ある時を境に急にそんな事例が増えてしまったのです。
その要因はいったどこにあるのでしょうか。

Googleマップが地図データサービスを日本国内で開始したのは2005年のことです。
この時はGoogle自身が日本の地図を持っていなかったことから、すでにデジタル地図で先んじていた地図会社のゼンリンと契約を結び、地図データの提供がスタートしました。
そもそもゼンリンは住宅地図をベースとした地図製作を手がける会社で、今もなお道路や宅地などの現地調査のために全国約70拠点で1000人もの調査員を投入しています。
この体制は他社が一朝一夕にマネが出来るものではありません。この調査があるからこそ、ゼンリンは緻密で高精度な地図データが提供できているといっても過言ではなく、Googleマップも当初はこのデータベースを使うことで、高精度な地図データを提供できていたのです。
しかし、GoogleがIT技術を活用してより多くの情報を自前で集めるようになると、その情報にも自ずと自信はついてきます。とくに全国にまたがるストリートビューの実現は、今までにない地図の活用法として新風を巻き起こすまでになり、もはや独自に提供しても十分対応できると判断したのでしょう。Googleは2019年3月、Googleマップの提供においてゼンリンとの契約を見直し、自前で収集したデータを使うことで対応することに踏み切ったのです。
この見直しのきっかけとなった要因については定かではありません。一部ではGoogleマップで予定していたオフラインマップを提供する条件で両社が折り合えなかったとの見方がありますが、もともとGoogleは自前で地図を提供する体制をグローバルで築いており、日本でもそのタイミングを見計らっていたという考えても不思議ではありません。
しかし、前述したように、地図データというのは一朝一夕で精度を高められるわけではないのも確かです。
案の定、Googleが独自のデータによる提供を始めるとさっそく「Googleマップから林道、細い路地、バス停が消えた」「道路の形や名称、地形がおかしい」といった声が相次ぎました。Google自身もその誤りに気付き、陳謝するという異例の事態となったのです。
しかし、そうした状況も日が経つにつれて激減。今ではGoogleが持つ膨大なデータ、たとえば施設の営業時間や口コミランキングといった情報を目的地の検索に反映することも可能になっています。
とくに音声による目的地検索では、車載カーナビでは太刀打ちできない状態にあり、カーナビ用アプリと比較しても圧倒的な高精度ぶりを発揮していると言っていいでしょう。
一方、目的地に設定した施設の入口情報は今もなお備えていないようで、時として出入口と反対の場所で案内を終了することもあります。ただ、Googleマップがスゴイのは、施設の入口情報は備えないままでも、大型施設では敷地内までも案内することでこの問題を解決していることです。ここまでの情報を備えているのはGoogleマップだけと言えます。
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