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8世代目のBMW新型「5シリーズ」乗って分かった“攻めのモデルチェンジ”の真価とは?「ドイツ製セダンの定番」走りはどう変わった?

全方位的にアグレッシブに攻めた新型5シリーズ

 日本でも2023年7月に発表済みのBMW新型「5シリーズ」のプレス向け国際試乗会がポルトガル・リスボンで開催されました。

 驚いたのは、その陣容です。今回ステアリングを握ることができたのは、「i5 eDrive40」と「i5 M60 xDrive」の2モデル。そう、EV(電気自動車)だけだったのです。

デザインもメカニズムも、意欲的なモデルチェンジでアグレッシブに攻めてきたBMW新型「5シリーズ」
デザインもメカニズムも、意欲的なモデルチェンジでアグレッシブに攻めてきたBMW新型「5シリーズ」

 もっとも、すでに発表されている日本でのモデル構成を見ても、エンジン車は4気筒モデルだけ。そして、先代で販売の3割を占めたというプラグインハイブリッド車すら潔く廃止され、EV中心のラインナップとされています。つまりBMWは、EVシフトにいよいよ本気ということでしょう。

 新しい5シリーズは、パワートレインだけでなくデザインも大胆な変貌を遂げています。

 3代目辺りまでの初期の5シリーズのようなシャークノーズ、つまりは前方に逆スラントしたフロントデザインが採用され、ボディラインはエッジの立ったキャラクターラインが目を惹く直線基調に。全体にかなり若返った印象です。

 一方で、もはや丸目ではありませんがヘッドライトは4灯式が継承され、キドニーグリルはむしろより大型に。ショルダーのドア下辺りのボディサイドに走る2本のキャラクターライン、サイドウインドウ後端が「く」の字を描くホフマイスターキンクといったBMWの定番ディテールは、「3シリーズ」のように廃されてしまうことなく使われています。大きく変化してもちゃんとBMWに見えるのは、まさにそのおかげといえそうです。

 ただし、そのボディサイズは議論を呼びそうです。何しろ新型5シリーズの全長は5060mmと、先代より85mmも伸ばされています。同じく全幅も1900mmと一気にワイドに。今まで入っていた駐車場に入らないという事例、出てきそうです。

 EV仕様の「i5」は、大容量バッテリーをキャビン床下に搭載しています。よって、ホイールベースは2995mmとこれも非常に長く、全高は30mmほど高い1515mmに上げられています。それでいながら、5シリーズらしいフォルムを形づくるためのサイズアップという面は大きいに違いありません。

 こちらも先進感が一気に高まっているのがインテリア。BMWカーブドディスプレイと呼ばれる横長の湾曲したモニター、美しいイルミネーションとしてだけでなく、さまざまな情報を光で伝えるインタラクティブバーといった「7シリーズ」ゆずりの装備のおかげです。

 インフォテインメントシステムには最新のOS8.5を搭載。動画再生、さらには手持ちの携帯電話をコントローラーとして用いるゲーム機能なども備わるのは、EVの充電などによって車内で過ごす時間が増えていることへの対応です。

 シート、ステアリングホイール、さらにダッシュボード、ドアトリムといった部分の表皮には、アニマルフリーのトレンドに乗ったヴィーガンレザー、要するに合成皮革が標準採用されたのもトピックです。オプションでメリノレザーなども選べますが、初採用のステアリングホイールも手触りは悪くなく、十分満足させてくれそうです。

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