VAGUE(ヴァーグ)

結婚式「ご祝儀」にいくらかかる? 知っておきたい基本的なマナーと最近のご祝儀事情とは

●友人が結婚するときのご祝儀相場は3万円

 結婚式に招待されたけれど、ご祝儀をいくら包めばいいかわからない。

 よく言われるご祝儀の目安はあっても、いざ実際に渡すとなると新郎新婦との関係性はそれぞれなので、金額に悩んでしまうこともあります。

 会費制でもない限り、新郎新婦が金額を指定してくれるわけでもありません。いったいいくらご祝儀を渡せばいいのでしょうか?

 そもそも「ご祝儀」というものは、婚礼などお祝いの儀式そのものを指す言葉で、そのお手伝いをしてくれる人に対するお礼の意味もありました。それが転じて、現在は一般的に、結婚や出産など慶事の際にお祝いの気持ちを表すために金銭を贈る風習をご祝儀と呼んでいるのです。

 また、慶事にかかる費用を負担する気持ちも含まれるため、よりいっそうご祝儀の額を決めるのが難しく感じられるようです。

 それでは、一般的にはどのくらいの金額が包まれているのでしょうか。

 2023年のゼクシィ結婚トレンド調査によると、新郎新婦に対して、友人や同僚の立場で渡すご祝儀の平均は3万円です。先生の場合は4.1万円、上司は4.2万円と立場が上がると金額は増えています。

 さらに、親族関係となるとご祝儀は格段に多くなり、7.4万円が平均です。

 結婚式などの費用は招待者1人につき2万円ほどかかるといわれており、そこに立場をふまえたお祝いの気持ちをのせてご祝儀を包んでいる様子がわかります。

 平均額からすれば、友人や同僚の場合は3万円が相場。このほか立場によって金額は上がり、親族関係の7.4万円までが相場といえそうです。

平均額からすれば、友人や同僚の場合は3万円が相場。このほか立場によって金額は上がり、親族関係の7.4万円までが相場
平均額からすれば、友人や同僚の場合は3万円が相場。このほか立場によって金額は上がり、親族関係の7.4万円までが相場

●今どきのご祝儀は高額化?

 一方で、ご祝儀全体の平均額を見てみると、以前と比べて高額化しているといいます。それはなぜでしょうか。

 株式会社リクルートにおける結婚領域の担当者は、ご祝儀金額の現在の傾向について次のように話します。

 「招待客ごとの経年変化を見ると、親族からのご祝儀が増加傾向にあります。理由のひとつに、結婚式がより近い親族が集まる場になっていることが挙げられます。

 親族関係は近いほどご祝儀額が高くなると想定されるため、結果的に平均金額が上がっているのではないかと考えています。

 また、結婚式自体が『ありがとう』と『おめでとう』の場として広がる中、近い親族はしっかり『祝福したい』という気持ちが表れているのかもしれません」

 ただいずれにしても、ご祝儀を渡す際は、金額だけでなくマナーに気を付けるとより喜ばれます。

 まず、結婚式の場合は、「分かれる(=別れる)」を連想する偶数や、「苦」につながる9の数字を避けてご祝儀金額を決めるとよいとされています。さらに新札を包むと理想的です。

 さらに、金額とご祝儀袋のバランスも大切です。包む金額に対して100分の1程度の価格のものを選ぶとよいでしょう。

 3万円や5万円程度を包む場合は、金銀や紅白の水引を掛けたスタンダードなタイプが適しています。カラフルなデザインもありますが、結婚式では白色がフォーマルです。

 鶴や亀、松の飾りがつくなど重厚感のある華やかなタイプは、高額を包むのにぴったりです。反対に、結婚式を欠席する際など1万円程度を渡す場合は、水引がプリントされたご祝儀袋でも構いません。

 ご祝儀袋の名目は「寿」や「御結婚御祝」と書かれたものを選びます。さらに、名目より小さい字で自分の氏名をフルネームで書き入れます。その際にボールペンや万年筆ではなく黒の筆ペンを使いますが、薄墨はお葬式の香典用なので結婚式ではNGです。

 結婚式では縁起を担ぐことが多く、ほかにも細かなマナーはありますが、なによりも新郎新婦の門出を祝う気持ちを包むことが大切といえそうです。

*  *  *

 結婚祝いのご祝儀は、3万円以上が相場のようです。とはいえ、ご祝儀の金額に正解はありません。ご祝儀をいくらにするか迷ったら、マナーに気をつけながらも、祝福する気持ちを金額にして表すとよいでしょう。

Gallery 【画像】ご祝儀袋は何を選ぶ? 金額やスタイルを写真で見る(3枚)

RECOMMEND