国内相場を大幅超え! 60年前からタイムスリップ!? 米国オークションに登場した極上の“国産オープンカー”とは
ホンダのモータースポーツ史を支えたS600
自動二輪車からはじまったホンダは、マン島TTレースやF1への参入などモータースポーツの活躍は目まぐるしいものでしたが、乗用車の展開は経験不足ということもあって苦戦していました。
そんなホンダはこれまでのモータースポーツで培ってきた経験を活かして、S600の開発に取りかかります。
1964年に販売された「S600」は、606ccの直列4気筒のパワートレインを搭載し「エスロク」の愛称で親しまれていました。
ボディタイプは、クーペとオープンの2種類あり、価格はクーペが59万9000円、オープンが50万9000円という1960年代としては破格な値段ということもあり、生産台数を伸ばしました。
また当時では高性能車にしか採用されていなかったDOHCを搭載することで、最大出力57馬力という高出力と、レッドゾーンが9500rpmからという高回転までストレスなく回るエンジンが、人気を加速させます。
ほかにも、バイクレースやF1で培った技術をS600へ応用することで、モータースポーツにも数多く参戦して多くの結果を残していました。
当時の最大のライバルであった、トヨタ「スポーツ800(愛称ヨタハチ)」の最大出力が45馬力に過ぎないことを考慮すると、いかにS600がハイスペックだったかが理解できます。
そのため国内レースの上位は他のクルマを寄せ付けず、S600が占める結果となりました。
さらに活躍の場を海外に移し、世界のハイスペックカーが争うニュルブルクリンク500kmレースでクラス優勝を果たし、世界中にS600旋風が巻き起こります。
そして、シリーズ累計で1万3000台ほど生産し、2年後の1966年に後継者のS800にバトンタッチをして幕を閉じます。
そんなホンダの自動車メーカーとしての立役者的な存在のS600ですが、60年近く前のモデルということあって個体の絶対数が減少傾向にあります。
しかし、2023年の2月にアメリカで行われたオークションで、品質の高いS600が出品されて注目を集めました。
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