VAGUE(ヴァーグ)

タイヤのサイドウオールにぽっこりと膨らみが! これってなに? どうすればいい?

タイヤがパンクした場合、1本交換するか、4本交換するべきか

 もうひとつ考えられるのは、空気圧不足で走行したケースだ。

 もちろん完全にパンクして空気圧ゼロで走行したら、数km走っただけでサイドウオールはボロボロになってしまうが、空気圧が規定値より大幅に低い状態で長い距離を走ったら、サイドウオール内部のカーカスが切れてしまうこともある。

  • 空気圧が低いまま走行すると、タイヤがパンクするリスクも高くなる

 路面に接するときにはサイドウオールが折り曲がり、回転して上にいったら真っ直ぐに伸び、また下になって折り曲がることを繰り返すために糸が疲労して切れてしまうのだ。

「バルジデント(Bulge=膨らみ、Dent=凹み)」というサイドウオールの凹凸もあるが、こちらは走行上の支障はないので、「ピンチカット」とは見分けなくてはならない。まったく走行していない新品タイヤにも出ているものもあるのが「バルジデント」である。

 これはタイヤ内部の構造上出てしまうもので、まったく気にしなくてもいい。

 ちょっと難しい話をすると、カーカスはタイヤ内部で連続している。タイヤを横から見たときに、中央から放射線状に広がる方向に糸が向いているから「ラジアル(放射線状)タイヤ」と呼ぶ。そのカーカスの繋ぎ目の部分で凸凹が出てしまう。カーカスが複数枚ある場合には、タイヤを作るときに繋ぎ目の場所をずらすようにしているが、それでも目立つこともある。

 バルジデントは空気を入れてないときにはわからないが、空気を入れ、中から圧力が加わるとサイドウオールの剛性の違いから、普通は帯状に見えてくる。タンコブのような円形か楕円形に現れる「ピンチカット」とは違うので見分けられる。もし心配ならタイヤショップで見てもらうといい。

※ ※ ※

 ピンチカットなど、タイヤの損傷によって交換する場合に、1本だけ替えるのか、4本いっぺんに替えるのかを悩むだろう。

  • タイヤ交換の様子。溝の深さが4mm以下ならば4本交換することをオススメする

 もちろん経済的には1本だけ交換するほうが安いし、安全性を考えると4本交換になる。筆者のお勧めは、もちろん4本全部替えることだ。

 とくに雨の日の安全性は1本だけ交換するときに比べて格段に良くなる。1本だけ別ブランドのタイヤになると、さらに性能上のばらつきも出るので、緊急時以外はお勧めできない。

 安全性と経済性の両方を考慮した案として、溝深さが5分山(4mm)以下だったら4本取り換える。それ以上の溝があって同じブランド、同じサイズが用意できるなら1本交換でもよいだろう。

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こもだきよし
こもだきよし
モータージャーナリスト
日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会長(2016年〜) 1950年 神奈川県川崎市生まれ 自動車レース、タイヤテストドライバーの経験を経て、1984年から新型車にいち早く試乗して記事を書くフリーランスのモータージャーナリストになる。クルマが好きというより運転することが好きでこの仕事をしている。 世界一の難所と云われるドイツのニュルブルクリンクの北コース(ノルドシュライフェ)を1984年5月に初めて走ってから40年間通い、BMW M社主催のBMW ドライビングエクスペリエンスで、インストラクターとしてドイツ人インストラクターとともに日本人参加者向けにニュルの走り方を伝えている。

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