SNSでもトレンド!? 炒飯でもピラフでもない「謎の米系エスニック料理」の味って? 初心者が戸惑う“本場の味”とは
●スパイス系エスニックでカラダを夏にする
インド亜大陸周辺で愛されるスパイスたっぷりの米料理の「ビリヤニ(ビリヤーニ)」。
有名エスニック料理店をはじめ、期間限定ではありますがコンビニでも見かけるようになり、しばしばSNSでトレンド入りするほどの人気となっているのはご存知の通り。

そんなチャーハンともピラフとも少し違う、謎多きお米系エスニック料理をパキスタン本国の料理人による“ガチ仕様”で楽しめるのが「ヤシオスタン」こと埼玉県八潮市にある「カラチの空」。
パキスタンの大都市、ラホール出身のオーナーであるザヒット・ジャベイドさんの案内で、その味わいを体験しました。
●丸ごとのスパイスが味の決め手
「簡単に言うと、カレーに似たソースとバスマティライスと呼ばれる細長い米を一緒に蒸し上げた料理のこと。家ごとに味が違うのも魅力です」と、ビリヤニについて説明するジャベイドさん。
例によって諸説ありますが、ビリヤニの発祥は現在のイラクであるペルシア周辺というのが濃厚で、その後パキスタンやインド、スリランカといった、南アジアの国々へと広がったようです。
主役はその独特な香りから「ジャスミンライス」とも呼ばれる高級なお米のバスマティライスですが、地域によっては麺を使うこともあるのだとか。
作り方はやや複雑。まずはパスタのようにバスマティライスを茹で、半生の状態で湯を切って大きな鍋にしきつめます。
その上にカレーソースを薄くかけ、さらにバスマティライスをしきつめます。
その上にカレーソースをかけ……を3回ほど繰り返し、「米・カレー・米・カレー・米」が層になった状態にして、ごく弱火で蒸し上げます。
日本の料理に例えると「炊き込みご飯」と言われがちなビリヤニですが、ソースと一緒に生の米から炊き上げる料理を「プラウ(プラオ)」と呼ぶので、強いて言うならまぜご飯に近いと言えそうです。
そうこうしているうちに、ビリヤニが完成!
気になるソースの具は、イスラム教の国を中心に発達したせいか、具材の肉はマトンやチキンが多いようです。
カラチの空では平日はチキン、週末限定でマトンのビリヤニが提供されます。
「パキスタンでマトンはビーフよりも高級な食材。マトンのビリヤニは結婚式などのお祝いや、遠くから大切な友人が訪ねてきたときに振る舞う特別な料理というイメージなんです」(ジャベイドさん)
一口ほおばると、なるほどスパイスの香りが口いっぱいに広がります。
エスニック料理で気になるのが辛さですが、ピリッとシャープで力強いな辛味は感じるものの、舌をヒリヒリと麻痺させるような過激さはなし。夏場はこれくらいがちょうどいいかも。
そして、スパイスの香りとソースの味わいがミックスした米は止まらない美味しさ!
使うスパイスはカルダモンやクミン、クローブ、シナモンなどなど。
「大切なのは、スパイスをホール(丸ごと)で使うことなんです」(ジャベイドさん)とのことで、細かく挽いてしまうと香りが飛んでしまうのだそうです。
鮮やかな赤色は「クムクム」という色素でつけたもの。この色合いも店によって個性があるのだとか。
ビリヤニの大きな魅力は、具材と米が完全に混ざりきらずに色と味のグラデーションができていること。
一口ごとに味変がおこり、食べ飽きるということがありません。
ニハリやカライなど、油をがっつり使った重めの料理が多い印象のパキスタン料理ですは、ビリヤニは軽快な食べ心地。「2人前はあるぞ」という小山のようなビリヤニが順調に減っていきます。

そしてバスマティライスの中には、おおぶりな骨付きチキンが隠されています。
ご飯に隠されるように盛りつけるなんて奥ゆかしいですよね。
●謎のヨーグルト“ライタ”は絶対食べて
そして、ビリヤニ初心者を戸惑わせるのが、小鉢に入った白い謎の液体の“ライタ”ではないでしょうか。
ヨーグルトに刻んだキュウリやタマネギを混ぜたもので、すこしかけるだけで爽やかな味わいにビリヤニを味変してくれます。
ジャベイドさんによると、胃腸にもいいとのことなので、ぜひとも試していただきたい味わい。日本人の感覚だと大盛りのことが多いですが、後半ライタを投入するとスイスイ食べられてしまいます。
「ビリヤニは大鍋で作ったほうが美味しいんですが、小さな鍋でお母さんが作ってくれる素朴な味もまた家族の楽しい想い出でなんです」とジャベイドさん。
まだビリヤニを食べたことのない方は、ぜひパキスタン本国のレシピで味わってはいかがでしょうか。
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