“フィアットの超小型車”ベースの「リゾートコミューター」大バズり中 “正体不明のカロッツェリア”が提案する「トポリーノbyガラヴィーニ」とは
ドアさえ存在しない“ドルチェヴィータ”な超小型シティコミューター
2023年7月、フィアットは超コンパクトなシティコミューター「トポリーノ」を発表しました。都市部や近距離移動を主な用途としたふたり乗りのBEV(電気自動車)です。
そんな「トポリーノ」をベースに、カロッツェリア・ガラヴィーニが提案したコーチビルドプランが今、注目を集めています。

フィアット「トポリーノ」は、全長2535mm、全幅1400mm、全高1530mm、ホイールベース1730mmと超コンパクトなサイズで、最高出力6kWhのモーターで前輪を駆動。最高速度は45km/hをマークし、満充電時の航続可能距離(WMTCモード)は75kmとされています。
パワーとスピードが控えめなのは、欧州連合の“ライト・クアドリサイクル”という超小型車規格に準拠させるため。これにより、イタリアでは「トポリーノ」を14歳から原付二輪免許で運転可能だといいます。
そんな「トポリーノ」は、クローズドボディに加えて“ドルチェヴィータ”と名づけられたオープン仕様もラインナップ。ちなみに後者には、両サイドのドアがついていません。
それにしても“ドルチェヴィータ”というフレーズ、最近、いろんなところで耳にしますね。フェラーリが「ローマ」を市場投入する際、しきりに“ドルチェヴィータ”を謳っていましたし、フィアットは今も、「500」に「ドルチェヴィータ」というグレードを投入しています。
イタリア語で甘い生活を意味する“ドルチェヴィータ”は、フェデリコ・フェリーニ監督が手がけた1960年の映画『La dolce vita(邦題:甘い生活)』で知られるようになりました。解釈は人それぞれでしょうが、この言葉は大人のアバンチュールを象徴したもので、快楽主義的な志向を含意しているというのが一般的です。
そんな「トポリーノ」をベースにした、カロッツェリア・ガラヴィーニによるコーチビルド案が話題を集めています。
カロッツェリア・ガラヴィーニといえば、2025年に投入予定とされるアルファ ロメオ「4C」ベースのレストモッド車両「ペレンネ」でも話題を集める企業です。
●実車はまだなくてもCGのみでバズらせる
「トポリーノbyガラヴィーニ」というネーミングが与えられた「トポリーノ」のコーチビルド案は、地中海のカプリ島と“ドルチェヴィータ”のライフスタイルにインスピレーションを得ているそうです。
フロントには、彫刻的なバンパーとフィアット「500」を思わせる丸型LEDを備えており、レトロというよりもモダンな印象です。
リアエンドは、ヨットの雰囲気を醸し出しており、木材で覆われた低床の半露出型カーゴスペースが特徴的です。
その他クールなトライとしては、ヴィンテージ風のLEDや、キャンバススタイルのルーフ、さらにはスペアタイヤホルダーのように見える丸いデコレーションなどが挙げられます。
インテリアには、取り外し可能なヘッドレストを備えた新発想のシートを装備。ちなみにこのヘッドレストは、ビーチで枕としても使用できるといいます。
またハンドメイドだけに、オーナーの好みに応じて高度にパーソナライズできると謳われています。
なおハードウェアは「トポリーノ」のまま。気になる価格は、コーチビルド代(車両含まず)だけで4万5000ユーロ(約730万円)〜とのことです。
ちなみに、イタリアの法人登記簿をオンラインで確認しても、トリノにガラヴィーニの名称で登録されているカロッツェリアは見当たりません。
正体不明の企業ではありますが、現状はCGしか存在しない「トポリーノbyガラヴィーニ」が世界をバスらせています。カロッツェリア・ガラヴィーニがどのような企業なのか気になりますが、まずは2025年に登場するという「ペレンネ」の実車を拝見したいところですね。
VAGUEからのオススメ

タイヤの選び方が変わるーーデザインによる世界観の表現と性能とを両立したブリヂストン REGNO「GR-XIII B Edition」で“大人のドレスアップ”【PR】