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朝ドラの舞台にもなった「銀山温泉」ってどんなところ? 大正ロマンの残りが漂う温泉旅館の魅力とは

●ジャパンデコの「本館古勢起屋」

 「本館古勢起屋」は1、2階は大正期、3階は昭和に建築されました。

 1920年にフランスで誕生した華美な装飾を省いた商業デザインの先駆けともいえる様式である「アールデコ」は当時の日本に強い影響を与えました。

 シンメトリーで端正なアールデコを和の感性で再構築した「ジャパンデコ」とも言える洋風の和館建築が盛んに作られ、本館古勢起屋もそのうちの一つです。

国の有形文化財にも認定された
国の有形文化財にも認定された

 また、旅館内には伝統工法の「木組み」をはじめ、建築に携わった職人たちが残したと考えられる建具の覚え書きなど歴史の足跡がそのまま残されています。

 川側の和室に施されている「組子」は木を幾何学的模様に組み上げる、日本古来の木工技術です。

 細い木に溝や穴を一寸の狂いもなくカンナやノミで刻んでいく、当時の職人の腕の見せ所でした。

 当館ではこの窓枠や天井など館内の随所にこの技法をふんだんに使った格子の意匠があります。

 そして部屋の窓をはじめ室内に取り付けられたステンドグラスには「昔ガラス」が使用されています。

 昭和初期から盛んに使用されるようになった昔ガラスは、厚みが不均一で歪みが特徴で独特の味わいがあります。

 なかでも表面に霜が付いたかのような「結霜ガラス」や凹凸のある「ダイヤガラス」は洋風と和の織りなす空間を美しく、上品に飾ります。

 そんな本館古勢起屋ですが、どのようなコンセプトに基づいて運営をしているのでしょうか。担当スタッフは次のように話します。

「当旅館では単に部屋でリラックスするだけでは無く、温泉街でのそぞろ歩きをしていただき、大正浪漫の雰囲気を楽しんでいただく事を目標として掲げています。

 そのために夕暮れにガス灯が灯る幻想的な空間である温泉街全体を楽しめるような空間を実現しています。

 また、最もこだわっているポイントは大正時代の外観を保ちつつ、現代の過ごしやすさを取り入れたリノベーションを施したことです。これにより、国の有形文化財の認定を受けることができました」

 銀山温泉では四季折々の空間を楽しむことができ、春は雪が緩やかに溶けていき山桜色に染まっていく風景。鳥が囀り、滝や渓流の流れる音に耳を澄ます夏。秋には鮮やかに染まる木々、冬にはガス灯が照らす幻想的な銀世界を楽しむことができます。

※ ※ ※

 銀山温泉は四季折々で顔を変え、古くから続く歴史の郷愁が漂う幻想的な空間が特徴の温泉街です。

 今回取り上げた本館古勢起屋は1泊2食付きのスタンダードプランで約3万5千円となります。

Gallery 【画像】銀山温泉ってどんなところ?写真で見る(14枚)
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