VAGUE(ヴァーグ)

昭和に流行った“眠たげ”な目!? リトラクタブル式でもない変わった「可動式ヘッドライト」搭載の“超個性派スポーツカー”とは

歴代の国産スポーツカーはヘッドライトの個性もハンパない

 クルマのフロントデザインで重要なのが、ヘッドランプの形状です。

 1960年代、国産車黎明期のヘッドライトは、丸形2灯式か4灯式に規格が限定され、70年代にそれぞれ角形が登場しました。
 
 そして、80年代には「格納式前照灯」が流行します。多くの場合「リトラクタブル式」と呼ばれるタイプでしたが、今回は異形格納式ヘッドライトで個性を主張した3台を紹介します。

●初代ホンダ「バラードスポーツCR-X」

 1983年7月に風変わりなコンパクトスポーツがホンダからデビューしました。「バラードスポーツCR-X」です。

1983年6月に登場したホンダ「バラードスポーツCR-X」
1983年6月に登場したホンダ「バラードスポーツCR-X」

 ベースとなったのは同年9月に登場する3代目シビックで、そのフルモデルチェンジに先駆けて世に送り出されたモデルです。

 つまり、シビックのスポーツクーペなのですが、バラードの名が冠されたのは、当時好調とはいえなかった「バラード」そのもののイメージアップと、ホンダ第3のチャネル、ベルノ店へのテコ入れが目的だったようです。

 その小さく引き締まったボディは、事実上2シーターと割り切ったもので、リアゲートを持ち、テールエンドを断ち切った形状の「ファストバック」ボディは、全長3675mm×全幅1625mm×全高1290mm、ホイールベース2200mm。車両重量も760kgから800kgに収まっていました。

 デビューモデルで特徴的だったヘッドライトは、半目の開いたセミリトラクタブルタイプで、独特の表情で個性を主張していました。

 搭載エンジンは気筒あたり3バルブのクロスフローヘッドを持ったCVCCの1.3リッターと1.5リッターで、1.5リッター版には電子制御燃料噴射PGM-FIが採用され、110馬力/13.8kgm(グロス)のパワー&トルクを発生。軽い車重の恩恵もあって、極めて軽快な運動性能を得ていました。

 84年11月には、130馬力/15.5kgm(グロス)を発生する新開発の1.6リッターDOHC16バルブエンジンの「ZC型」を搭載した「Si」が追加され、パワフルなエンジンと軽快なハンドリングのFFスポーツとして、CR-Xの評価を決定づけることとなります。

Nextポップアップ式「ライズアップライト」を採用した3代目セリカ
Gallery 【画像】80年代に大流行! 眠たげな顔の国産スポーツカーを写真で見る(34枚)

page

  • 1
  • 2

VAGUEからのオススメ

マザー・オブ・パールが詩情豊かに輝く――大人の夜を彩るブローバ「マリンスター」日本限定モデルの魅力とは【PR】

マザー・オブ・パールが詩情豊かに輝く――大人の夜を彩るブローバ「マリンスター」日本限定モデルの魅力とは【PR】

RECOMMEND