高速料金が3割引になるETC「深夜割引」が見直される!? 2024年度末に導入予定の“新ルール”の内容とは
「深夜割引適用待ち」の車両の滞留が問題?
高速道路の料金所をノンストップで通行料金の支払いができる「ETC」は、その利便性に加え、さまざまな料金の割引という実利もあります。
その料金の割引のなかで、とくに有用なのが「深夜割引」です。

深夜割引では、午前0時から午前4時までの「割引適用時間帯」に高速道路を走行するETC車について、通行料金の「3割引」が適用されます。
通行時間の判定は一部をのぞき「入口料金所」「出口料金所」で行われ、走行時間の一部でもこの時間帯にかかっていれば、全区間の料金が割引となります。
そのため「入口料金所を午前4時直前に通過する」「出口料金所を午前0時直後に通過する」といった利用形態でも大幅な割引が受けられるという、使いやすさがありました。
ところがこうした“ゆるい判定基準”により、あからさまな割引狙いの走行が常態化し、さまざまな課題が顕在化することになります。
とくに問題となったのが「出口料金所での0時過ぎ通過での走行全区間の割引」を狙うクルマ、とくに営業用トラックの滞留です。
午前0時前にはそうした“割引狙い”のクルマがまずは料金所手前の路肩に停車します。そして午前0時が近づくにつれ二重、三重の停車となり、最後には本線までクルマで埋め尽くされます。そしてこれらのクルマが0時とともに動き出すという異常な光景が、毎晩繰り返されていたのです。
もちろん、非常時以外の高速道路での路肩駐車は違法ですし、本線上での時間待ちは論外です。そこで高速道路各社は、深夜割引の見直しに踏み切ることとなりました。
まず2023年1月には「割引適用時間帯の走行分のみ3割引」「割引対象時間帯を22時から翌5時に拡大」という見直し内容の方向性が発表されました。その後、同年11月にはインターネットにて「深夜割引の見直しにおける無謀な運転の抑止策(案)」を公開し、意見募集が行われました。
そして2024年7月には、この意見募集も受けての詳細な内容、そして今年度末に実施するというスケジュールも打ち出されました。
では深夜割引は、見直しによりどう変わるのでしょうか。
まずは割引の計算方式についてです。以前は前述のように、対象となる走行であれば、全区間の料金が「3割引」となっていました。これが「22時〜翌5時の割引適用時間帯の走行距離」をベースとしたものに変更されます。計算式は以下です。
●割引後料金=通常料金×{100%ー(割引適用時間帯の走行距離÷全走行距離×30%)}
走行のすべてが割引適用時間帯で完結する場合は「割引適用時間帯の走行距離=全走行距離」となるため、「割引適用時間帯の走行距離÷全走行距離×30%」はそのまま「30%」となり、通常料金の70%が割引適用後の料金となります。
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