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高級プレミアムSUVなのに常に輸入車上位にランクイン!? なぜ日本人はメルセデス・ベンツ「Gクラス」が好きなのか

「RVブーム」がさらなる追い風に

 また、1980年代後半から1990年代前半にかけての「RVブーム」も、日本でGクラスの人気が高まるきっかけになったものと思われます。

メルセデス・ベンツ新型「G450d」のインテリア。外観は昔ながらのスクエアタイプだが、内装は常に最新式にアップデートされている
メルセデス・ベンツ新型「G450d」のインテリア。外観は昔ながらのスクエアタイプだが、内装は常に最新式にアップデートされている

 バブル景気に沸く当時の日本では、スキーやキャンプといったレジャーを楽しむユーザーが増えたこともあり、RV(=レジャービークル)が空前のブームを迎えていました。

 そのなかでも、トヨタ「ランドクルーザー」や三菱「パジェロ」といった、本格的な悪路走破性能を持つクロスカントリー車(クロカン)は一目置かれる存在となっていました。

 一方、一部の富裕層はさらなるステータスを得るために、輸入車のクロカンを求めるようになりました。

 いまでこそ、ほとんどのプレミアムブランドがSUVをラインナップしていますが、当時は数えるほどしかなく、そのひとつがGクラスでした。

 軍用車ゆずりの無骨なスタイリングとメルセデス・ベンツらしい高級感という、一見相反する要素を見事に融合させたGクラスは、RVブームのなかでもひときわ目立つ存在でした。

 その後、芸能人やスポーツ選手などがこぞってGクラスを愛車としたこともあり、Gクラスの人気はさらに高まることとなります。

 そうした人気の高さは、リセールバリューの高さへとつながります。

 また、Gクラスは古さを感じさせないタイムレスなデザインであるため、年式にかかわらず一定のリセールバリューが維持される傾向にあります

 こうした好循環により、Gクラスはメルセデス・ベンツのなかでももっとも高価なモデルのひとつでありながら、もっともコストパフォーマンスに優れたモデルとなっています。

 つまり、日本人がGクラスをこれほどまでに好きである背景には、メルセデス・ベンツ自体のブランド力の高さにくわえ、RVブームという追い風、そして人気の高さに裏打ちされたリセールバリューの高さがあると言えそうです。

Gクラス初のBEV、メルセデス・ベンツ新型「G580 ウィズEQテクノロジー エディション1」
Gクラス初のBEV、メルセデス・ベンツ新型「G580 ウィズEQテクノロジー エディション1」

※ ※ ※

 そんなGクラスですが、2024年には初のBEVモデルが登場しています。

 BEVでありながらスクエアなルックスや高い悪路走破性能は健在であり、Gクラスらしさは損なわれていません。

 ただ、BEVはガソリン車などに対してリセールバリューが低い傾向があるうえ、日本ではまだまだBEVのシェアが低いのが実情です。

 そのような市場特性があるなかで、次世代のGクラスがどのような評価を受けるのかに注目が集まります。

Gallery 【画像】リセールも高い大人気高級SUV メルセデス「Gクラス」を見る(27枚)

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