いまなお語り継がれる昭和のFRスポーツクーペ 42年前に登場した“究極のドリフトマシン”「86レビン/トレノ」とは
いまやコレクターズアイテムとなった「ハチロク」
いまから42年前の今日1983年(昭和58年)5月12日、トヨタは「カローラ」「スプリンター」をフルモデルチェンジして発売しました。

1983年5月にフルモデルチェンジされたカローラ/スプリンターは、5代目にあたります。
この5代目で、じつはカローラ/スプリンターはFF化されました。ですが、スポーティモデルの「カローラレビン」(以下、レビン)と「スプリンタートレノ」(以下、トレノ)は、FRのままでフルモデルチェンジされました。つまり同じカローラ/スプリンターシリーズにFFとFRが混在していたのです。
ここでは、このレビン/トレノに特化して紹介しましょう。
レビン/トレノとも、ボディタイプは2ドアのノッチバッククーペと3ドアのハッチバッククーペが設定されていました。
レビンはコンベンショナルなヘッドランプに可動式フロントグリル、トレノはリトラクタブル式ヘッドランプを採用していましたが、それ以外の内外装はほぼ共通でした。
トップグレードのGT系には、新開発の1.6リッター4バルブDOHCエンジン「4A-GEU」型が搭載されていました。
それまでの2T-GEUに代わって4バルブ化された4A-GEUは7700rpmまで回り、吹け上がりの良さで定評がありました。
5代目の共通型式はE8#型ですが、4A-GEU搭載車は「AE86」型となります。
そのため、この5代目レビン/トレノは「AE86」または単に「ハチロク」と呼ばれ、クルマ好きに親しまれます。
シャシは先代レビン/トレノとなるTE71型のキャリーオーバーですが、熟成された足まわりは安定感ある走りをもたらし、モータースポーツ入門車としてフレッシュマンレースなどで活躍しました。
レビン/トレノも次のモデルからはFFとなってしまったので、ドリフト走行を楽しめる「最後のFR」レビン/トレノとして、モデルチェンジ以降も走り屋たちから人気を集めていました。
しかしなんといってもAE86レビン/トレノの人気を高めたのは、しげの秀一氏の漫画「頭文字(イニシャル)D」でしょう。
この漫画の大ヒットによって、すでに旧車となっていたAE86レビン/トレノの人気は沸騰したのです。
ちなみに、発表当時の東京地区 車両価格(4A-GEU搭載車のみ)は、レビン2ドアGTの132万2000円からトレノ3ドアGTアペックスの156万3000円。レビンよりトレノの方が少し高い価格設定でした。
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