“R”のルーツはここから! フォルクスワーゲンの高性能ハッチバック初代「ゴルフR32」が“異端の名車”と呼ばれる理由とは
全方位万能ハッチバックの原点「R32」とは
フォルクスワーゲン「ゴルフR」は「ゴルフ」が持つ高い実用性と快適性はそのままに、卓越した走行性能を有した全方位万能選手と言えるクルマです。そんなゴルフの頂点に立つゴルフRの歴史が始まったのは、2002年に登場した4代目ゴルフの「ゴルフR32」からでした。高性能ハッチバックの始まりを振り返ってみましょう。

ゴルフR32が初めて登場したのは2002年5月に開催されたスペイン・マドリードショーでした。ここで参考出品され、同年8月にはドイツ本国での販売を開始しました。日本では同年9月にお披露目され、日本市場では2003年1月から販売がスタートとなりました。
R32の「32」は排気量を表していて、Cセグメントハッチバックのゴルフに3.2リッターという大排気量エンジンを搭載し、コンパクトなボディに大きなハイパワーエンジンを搭載していることが話題となりました。このエンジンは「ボーラV6」に搭載されていた狭角V6の2.8リッターエンジンを3.2リッターまで拡大し、専用のチューニングが施されていて、最高出力241馬力・最大トルク320Nmを発揮していました。
ハイパワーを受け止めるために各所も強化されていました。駆動システムはハルデックスカップリングを用いた4WDシステム「4MOTION」を採用し、リアサスペンションはゴルフIVのトーションビームからマルチリンクへと変更し、専用のサスペンションはベースのゴルフIVと比べ車高が20mm落とされていました。リアマルチリンクに優れた4WDシステムというゴルフRへと続くパッケージはこの時誕生したのです。小さなボディにハイパワーな大排気量エンジンを搭載したと聞くと直線番長的なキャラクターをイメージしてしまうかもしれませんが、しっかりとフットワーク性能も強化し、ハンドリングでも高い評価を得ていました。
また、ゴルフR32にはOZ製18インチホイールにレムス製のマフラー、ケーニッヒ製のスポーツシートなどが与えられていましたが、専用のエアロパーツも含めて声高にスポーツモデルであることを主張することなく、さりげなく高性能であることをアピールする内外装となっていて、あくまでも実用車「ゴルフ」の枠を出ない高性能モデルであることがメッセージとして伝わってきます。そのようなメッセージ性も現行のゴルフRと通ずるものがある始まりのモデルです。
発売当初は左ハンドル6速MTと3ドアハッチのみという硬派な展開でしたが、2003年5月からは5ドアの右ハンドル仕様が日本市場に投入されました。
この「R32」を皮切りに、「Rモデル」や「R-Line」といった高性能グレードがレギュラー展開されるようになり、フォルクスワーゲンのスポーツイメージを牽引していく存在となりました。現在のブランドイメージは、R32なくして語れないと言える一台です。
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