635馬力の“史上最強”モデル「ディフェンダー・オクタ」舗装路と悪路での実力は? 2.5トン超のヘビー級ながら「走り味はまるでスポーツカー」
4.4リッターV8ツインターボは635馬力を発生
「ディフェンダー OCTA(オクタ)」は消費税込で2099万円〜とシリーズで最も高価なグレードですが、単なる豪華仕様ではありません。「シリーズで最も速く、最もタフで、最もラグジュアリー」という3拍子そろった“全方位優位”のモデルなのです。

まずは速さのお話から。搭載されるエンジンは、「ディフェンダー」史上最強の4.4リッターV8ツインターボ。さらにそこへ、マイルドハイブリッドシステムを組み合わせています。
ちなみに、V8エンジン搭載車はフツーの「ディフェンダー」にも設定されていますが、「OCTA」のエンジンは全くの別物。フツーの「ディフェンダー V8」に積まれるV8は5リッターのスーパーチャージャーつきなのに対し、「OCTA」のものは4.4リッターのツインターボと、出自が全く異なります。
最高出力は、5リッターのスーパーチャージャー仕様に対して110psも上乗せされた635psを発生。最大トルクも125Nmアップの750Nmを発生します。0-100km/h加速タイムは、フツーのV8モデルも5.4秒とかなりスゴいのですが、「OCTA」はさらに速い4.0秒と、とんでもない数値をマークします。
しかも、単に速いだけではありません。「OCTA」のV8エンジンは、エモーショナル感がハンパありません。アクセルペダルを踏み込んでエンジン回転数が高まっていくときのビート感や、その際に響き渡る音などは、思わずウットリしてクセになるレベル。官能性能の高さは、SUVというよりまるでスポーツカーのようです。
そんな「OCTA」の足回りには、油圧と連動したセミアクティブダンパーが走行状況に応じて車体の動きをコントロールする“6Dダイナミクスサスペンションシステム”が搭載されています。
そのスゴさを実感させられるのが、まずは走り出しの際。高いスポーツ性能を誇るモデルだけに、乗り心地は相当ハードだろうと身構えていたのですが、決してそんなことはありません。快適な乗り心地に驚かされます。それはまるで、ファミリーカーとしても十分通用するレベルにあります。
一方、ワインディングロードでは、全長4940mm、全幅2065mm、全高2000mm、車両重量2510kgという大きくて背が高く、重い車体であるにもかかわらず、軽快に走ってくれることに驚かされます。ロールをしっかり抑えつつ、スポーツカーのように自由自在にコーナーを曲がっていく不思議な感覚は、巧みなボディコントロールの賜物といえるでしょう。
このように、スゴいことだらけの「OCTA」ですが、筆者(工藤貴宏)が最もスゴいと感じたのは別の要素にありました。それは、オンロードとオフロードそれぞれの走行性能を、高次元でバランスさせているということです。
今回の試乗では、舗装路に加えてフラットダート状のオフロードコースも“それなり”のペースで走ることができたのですが、そこでの走りは本当に驚くことばかり。
まずびっくりしたのは、乗り心地がいいこと。フラットダートで速度を上げていくと、フツーは細かい振動がドライバーを激しく襲ってくるのですが、「OCTA」はそうした動きがかなり抑えられていて、乗員に優しいのです。速く走れるのが自慢のクルマなのに、ちょっと信じられないレベルです。
しかも、オフロードでのトラクションが抜群。試乗車には、日本向けの「OCTA」には設定のない、本国仕様向けのオプションであるオフロードタイヤが装着されていたのですが、それを差し引いても、すべりやすいドロの路面でグイっとアクセルペダルを踏み込んでも、しっかりと駆動力を路面に伝え、車体をグイグイと前へ押し出していくのはさすがです。
オフロードでの優れた乗り心地も、トラクションのよさも、スムーズなサスペンションの動きが根底にあるのは間違いありません。車体の上下動を抑えつつ、タイヤが路面をしっかりとらえる絶妙なボディコントロール力が、さまざまな要素で効いているのです。

ちなみに、オフロード試乗時にセレクトした走行モードは「OCTA」。“究極のコントロール性能とドライバーの信頼性を確保するために特別に開発された”モードで、道なき道を行くといったタフなオフロード用ではなく、ラリーのように不整路をハイスピードで駆け抜けるためのモード、をイメージすればいいでしょう。このモードでフラットダートを走った際の気分は、まるでダカールラリーに参戦しているドライバーのようでした。
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