「スポーツカー=3ペダルのMT」はもう古い!? 進化した2ペダルのATを搭載した最新“国産スポーツカー”の魅力とは
スポーツカーはクラッチがなくても楽しめる時代へ
運転の楽しさを存分に味わえるスポーツカーといえば、3ペダルのMTでキマリ……とは言い切れないほどの完成度の高い2ペダル車が増えています。ここでは、最新のATを搭載したスポーツカーとその魅力に迫ります。

近年の2ペダル車でダイレクト感のある変速フィールを披露してくれたのは、フォルクスワーゲン(アウディやポルシェなどのグループを含む)に代表されるデュアルクラッチトランスミッション(DCT)です。フォルクスワーゲンとアウディはMTを廃止し、「ゴルフGTI」や「ゴルフR」などのスポーツ仕様もDSGと呼ばれるDCTのみとなっています。
さらに、機構的にMTに近いスズキのATMであるAGS(オートギヤシフト)、フィアットのデュアロジックなどのシングルクラッチトランスミッションもMTのような変速フィールが特徴で、MT車を扱うようなアクセルペダルの踏み方などコツが要る車種もあります。
MT車を積極的に展開してきたマツダも「ロードスター」などの一部を除きMTを廃止していて、走りのイメージが強いスバルも「BRZ」をのぞいて2ペダルのみとなっています。
MT車が減っているのはニーズだけでなく、2ペダルの進化もあります。
現在、最新鋭のATを設定しているのがトヨタです。最新の「GR86」は、主にモータースポーツを楽しむ層に向けて、6速ATのダウンシフト時におけるエンジン回転数の許容領域を拡大することで、より広いトルクバンドを活用することが可能。SPORTモードやマニュアルモード時には、2速から6速が全域ロックアップ制御になり、ダイレクト感のあるエンジントルクとリニアなアクセルレスポンスを享受できます。
トヨタ「GRカローラ」や「GRヤリス」には「GR-DAT」と呼ぶ8速ATを搭載。プロドライバーからフィードバックした知見が反映されていて、世界最速レベルの変速スピードと6速MTに対して多段化したことで、クロスレシオ化によるパワーバンドを活かした走りが可能になっています。
GR-DATに代表される最新のATは、手動でMTを変速するよりも素早くシフトチェンジが行われるため、ドライバーはステアリングワークに集中できる利点があります。F1やWRCなどに代表されるレースの世界でもすでに2ペダルが当たり前になっていることからも分かるように、速く走るためには2ペダルという結果はすでに出ています。
それでも自分でクラッチを切って変速するMTの楽しさは間違いなくあります。しかし、AT限定免許や久しくMT車に乗っていないという人でもスポーツカーを諦める必要はまったくありません。
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