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「エボ」って言っても三菱じゃない! 502台限定の「特別なメルセデス」がオークション登場 走行は11万キロ超え 36年前の「エボI」の価値とは

1989年2月に製造された1台

 2025年10月にベルギーで開催されるブロードアロー・オークションに、1989年式メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16 エボリューションI」が出品される予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

まもなく開催されるブロードアロー・オークションに出品される予定の1989年式メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16 エボリューションI」
まもなく開催されるブロードアロー・オークションに出品される予定の1989年式メルセデス・ベンツ「190E 2.5-16 エボリューションI」

 1980年代、メルセデス・ベンツは長らく途絶えていたワークスモータースポーツへの本格復帰を果たしました。

 その象徴となったのが、コスワース設計のシリンダーヘッドを備えた「190E 2.3-16」です。このモデルは1984年、初開催のドイツツーリングカー選手権(DTM)に参戦し、FIAグループAのホモロゲーション取得のため5000台の市販モデルが生産されました。

 4年後の1988年9月には、排気量を拡大し最高出力204馬力を発生する後継モデル「190E 2.5-16」が登場します。

 しかし、排気量アップによるトルク向上は市販車としては好評だった一方、サーキットでの高回転域の耐久性に課題がありました。

 FIAの規定により、新エンジンを搭載する場合はホモロゲーション台数の10%以上を生産する必要があったため、メルセデスは1989年3月のジュネーブ・モーターショーで「190E 2.5-16 エボリューション(EVO)」を発表します。

 エボリューションIは、同じ2.5リッターながらショートストローク化とボア拡大によって高回転型へ進化、最高出力は225馬力までパワーアップされました。また足回りとブレーキが強化され、16インチホイールやワイドトレッドに対応する拡幅フェンダー、そして大型リアウイングを装備しました。

 ボディカラーは全車ブルーブラックメタリックで、モータースポーツ志向の顧客向けにわずか502台のみ生産されました。

 オークションに出品される個体は、1989年2月に製造されたその希少な一台で、同年5月8日にドイツ・マンハイムのメルセデス販売店から納車されました。街乗りでの快適性も重視し、パワーサンルーフ、ヒーター付きパワー調整式レカロシート、集中ドアロック、パワーウインドウ、エアコン、ステレオラジオといった豪華装備が備わっています。

 納車後はスイスのコレクターの手に渡り、長年にわたり大切に保管された後、スイス人レーサー、リック・グロリエ氏に引き継がれました。2014年には現オーナーであるベルギーの190シリーズ愛好家が購入。経年による小傷を補修するため、当時と同じブルーブラックメタリックにリペイントされ、現在も約11万3000km走行ながら、極めて良好な状態を保っています。

 このエボリューションIは、ドイツのサーキットでのメルセデス復権の礎となった歴史的モデルであり、後のDTM黄金期の扉を開いた存在です。同時に、レーシングスピリットを合法的に楽しめる稀少なロードカーとして、モータースポーツ史における重要な1ページを今も刻み続けています。

 落札予想価格は10万ユーロから15万ユーロ(1ユーロ177円換算で日本円で約1770万円から2658万円)とされています。

Gallery 【画像】エボっていっても“ランエボ”じゃない! メルセデス「190E エボI」を写真で見る(23枚)
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