半世紀を経ても色褪せない名車! 銀メタルのポルシェ「911T タルガ」を米国オークションで発見 48年間家族所有の美しい“ワンオーナー車”とは
キャブレターから燃料噴射への転換期に登場した1973年式911T
2025年10月6日、アメリカのオークションサイトで1973年式のポルシェ「911T タルガ」が発見されました。

1960年代末に登場したポルシェ「911T」は、クラシック911のなかでも独特の存在感を放つモデルです。当時の911シリーズにおけるエントリーモデルに位置付けられたといいます。
上級仕様の「911E」や「911S」と比べて出力は控えめながら、軽快なハンドリングと扱いやすさで評価され、日常で楽しめるスポーツカーとして人気を博しました。
なかでも、1973年から生産されたこのモデルは特別な存在とされています。
たとえば、従来のウェーバー製キャブレターに代わり、燃料噴射装置として「ボッシュKジェトロニック」を初めて採用。
「ボッシュKジェトロニック」は、ポルシェが排出ガス規制に対応しつつも性能を維持するために導入した重要な技術転換点でした。
そして、これにより始動性と燃費性能が向上し、のちのGシリーズへと受け継がれる基礎が築かれたとされています。
また、エクステリアは、細身のクロームバンパーと繊細なラインを持つ“ロングノーズ”時代の最終モデルにあたり、クラシック911の美しさを象徴する造形です。
エンジンは2.4リッター空冷水平対向6気筒を搭載し、最高出力は約140馬力。軽量なボディとの組み合わせによって、現代の911とは異なるしなやかで伸びのあるフィーリングを味わうことができるといいます。
さらに、1973年は初代911の集大成ともいえる年であり、この年を境に安全基準の変更によってバンパー形状やシャシ構造が一変しました。
そのため、1973年式モデルは伝統的なロングノーズボディと新世代の燃料噴射システムが同居する唯一のモデルとして、現在でも高い人気を誇っています。
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