「えっ…」60億円に迫る落札価格!? “自動車史におけるフェラーリの至宝”「250GTO」がオークションに登場! 唯一無二のホワイト仕様の気になる価値とは
レースでの戦績も目を見張る「250GTO」唯一のホワイト仕様
昨今、数々の自動車オークションで最高落札価格を更新し続けていているのが、フェラーリの「250GTO」です。
1962年から1964年にかけて、わずか36台のみが生産された「250GTO」は、国際GT選手権で3連覇を達成するなど、モータースポーツ界を席巻しました。名匠セルジオ・スカリエッティが手がけた流麗なアルミボディは機能美の極致であり、昨今のカーオークションにおいて、フェラーリの相場をけん引する存在として知られています。
レーシングカーとしての圧倒的な戦績、芸術品のような美しさ、そして極端な希少性が三位一体となった「250GTO」は、自動車史における至宝と呼べる存在です。
貴重なモデルだけに、頻繁にオークションにお目見えするわけではなく、出品されるだけでも話題となります。
そんな「250GTO」の中でもさらに特別な1台が、先日、アメリカ・フロリダ州のキシミーで開催されたMecum(メカム)のオークションに出品されました。
当該車両が特別な理由は、その唯一無二のカラーリングにあります。
「250GTO」のボディカラーといえば鮮烈な赤が定番ですが、当該車両の初代オーナーであった英国のレーシングチーム経営者ジョン・クームスは、あえて白を選択。
実戦を見据えて、ボンネットのエアスロット、フェンダーの追加エアインテーク、ヘッドライトに接続されたキャビンの換気ダクトといった改造が施され、過酷なレースを戦い抜く仕様となっていました。

さらに、当該車両の戦績もオークションで評価されるポイントのひとつとなりました。1962年と1963年に、英国のグッドウッドで開催された「RAC ツーリスト・トロフィー(FIA GT選手権の1戦)」で、見事に総合2位を獲得。
その際、ステアリングを握っていたのは、F1のワールドチャンピオンであるグラハム・ヒルを始め、ジャック・シアーズ、マイク・パークス、ロイ・サルバドーリ、リッチー・ギンサーといった当時のトップドライバーたちでした。
また興味深いエピソードとしては、ジャガーのレーシング部門がこの車両を比較テストのために借り受けたという記録があります。その結果は、「250GTO」がジャガー「Eタイプ」に対し、明確な優位性を持っていたことを証明するものだったそうです。
●約59億円が「250GTO」相場の天井か?
レース引退後、当該車両は元ドライバーのジャック・シアーズが約30年間にわたって所有してきました。
そして1999年以降は、ジョン・シャーリー・コレクションの珠玉の1台として「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」や「カバリーノ・クラシック」、「グッドウッド・リバイバル」といった世界最高峰のクラシックカーイベントに定期的に姿を現してきました。
特筆すべきは、その保存状態です。当該車両はフルレストアを受けておらず、必要に応じたていねいなメンテナンスと修理のみを実施。元のパーツを可能な限り保持し、オリジナルのホワイトカラーに戻されており、“フェラーリ・クラシケ”も取得済みです。
その落札価格について、一部では「7000万ドル(約108億円)をねらえるかも」といったウワサもあった当該車両ですが、フタを開けてみると3850万ドル(約59億円)で落札されました。
この手のオークションとしては珍しく、落札者が名乗り出ているのも印象的。落札したのはフェラーリコレクターとしてソーシャルメディアなどにたびたび登場しているアメリカ人のデイビッド・リー氏でした。
直近10年間ほどの「250GTO」のオークション履歴を振り返ると、2014年にボナムズのオークションにおいて3811万5000ドル(約59億円)で落札されて以降、2018年にはRMサザビーズで4840万5000ドル(約74億円)、そして2023年11月のRMサザビーズで、スクーデリア・フェラーリのファクトリーチームが使用した唯一の「330LM/250GTO」(シャシー番号3765で「330LM」から「250GTO」へとフェラーリが仕様変更したモデル)が5170万5000ドル(約79億円)で落札されています。
今回の当該車両は、Mecumのオークション出品車としては史上最高額を記録しましたが、「250GTO」としては2014年の記録とほぼ同等の落札価格でした。日本円換算で約59億円といった辺りが、現在の「250GTO」の相場なのかもしれませんね。
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