35年前に日本に新車で納車された“珍スーパーカー”がオークションに登場 走行2218km 9年間で30台しか作られなかったイズデラ「インペラトール108i」って知ってる?
ガルウイングが特徴的なドイツ車のスーパーカー
2026年2月に米国フロリダ州マイアミで開催されるRMサザビーズ主催のオークションに、1991年式イズデラ「インペラトール108i シリーズ2」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。
イズデラ(Isdera)は、自動車デザイナーのドイツ人、エーバーハルト・シュルツ氏(Eberhard Schulz)によって1982年に設立されたメーカーです。
シュルツはかつてポルシェに在籍し、自らの手で作ったプロトタイプ「エラトー(Erator)GTE」で名を知られるようになりましたが、在職中から独自の構想を進めていました。その思想の中心にあったのは、伝説的スポーツカーであるメルセデス・ベンツ「300SL」の優雅さと技術を現代に再現することでした。
1980年代初頭、シュルツは独立し、小規模生産車と設計・エンジニアリングを手がけるイスデラGmbHを設立します。そして2年後、その理念を具現化したモデルとして「インペレーター108i」を発表しました。
約9年間で生産されたインペレーター108iは、わずか30台。細かな改良を受けながら、メルセデス・ベンツ製V8エンジンをミッドシップに搭載しました。チューブラースペースフレームに接着式FRPボディを組み合わせ、象徴的なガルウイングドアも受け継がれています。
機構面も高度で、前ダブルウィッシュボーン、後横リンク式サスペンションに四輪ディスクブレーキを採用しました。最高速度は約175mph(約281km/h)、0-60mph(0−96km/h)加速は5.1秒と当時として優れた性能を誇ります。

今回オークションに出品予定のモデルは後期型シリーズ2で、リトラクタブルヘッドライトや片側2本出しエキゾーストが特徴です。滑らかに整えられたボディライン、大型フロントグリル、ホイールアーチのベンチレーション、ボンネットのオフセットNACAダクトなどにより、プロトタイプ的大胆さと市販車の完成度を兼ね備えた姿に仕上がっています。
新車時は日本に納車された左ハンドル仕様で、シルバー外装にブラックレザー内装という典型的なドイツ製スポーツカーの配色です。
エンジンはメルセデス・ベンツM119型32バルブV8で、ZF製5速マニュアルと組み合わされ約300馬力を発生します。2016年に英国登録後ドイツのオーナーへ渡り部分レストアを実施、2021年には欧州コレクションに収蔵され冷却系や空調、ブレーキの整備が行われました。さらに米国カリフォルニアの著名スペシャリストでも点検整備を受けています。
走行距離はカタログ作成時点で約2218kmで、極めて良好な状態を保っています。
独創的なデザインとメルセデス由来のV8パワー、そして圧倒的な希少性を兼ね備えたこの車は、単なる自動車ではなくコレクターズアイテムとして高い価値を持ち、あらゆる自動車イベントで注目を集める存在といえるでしょう。
この1991年式イズデラ「インペラトール108i シリーズ2」、落札予想価格は65万ドルから85万ドル(1USドル=153.5円換算で、日本円で約9979万円から1億3049万円)とされています。
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