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落札価格は5億円超え必至!? フェラーリ史を塗り替えた「幻のディーノ」が登場 世界でたった1台の「美しすぎる“縦置き”試作車」の価値

市販車と違い縦置きエンジンの試作車

 モータースポーツの歴史において、エンツォ・フェラーリの愛息アルフレード(愛称ディーノ)の名を冠したV6エンジンは、まさに特別な意味を持っています。

 F1やスポーツカーレースで数々の栄光を勝ち取ったこのユニットが、市販ロードカーの領域へと花開くプロセスの中で、極めて重要な役割を果たした1台のプロトタイプが存在します。

 それが2026年8月に開催される、RMサザビーズ主催のオークション「モントレー2026」に登場する1966年式フェラーリ「ディーノ206」プロトタイプです。

オークションに出品予定の1966年式フェラーリ「ディーノ206」プロトタイプRobin Adams(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's
オークションに出品予定の1966年式フェラーリ「ディーノ206」プロトタイプRobin Adams(c)2026 Courtesy of RM Sotheby's

 ディーノの市販化に向けた動きは、1965年のパリサロンで公開された「ディーノ ベルリネッタ スペチアーレ」から始まりました。デザイナーのアルド・ブロヴァローネが描いた流麗なスタイルは世界を魅了したものの、エンジンを積まないフルモデルのコンセプトカーであり、居住性や実用性には課題が残されていました。

 そのわずか13か月後、1966年のトリノモーターショーで発表されたのが、シャシナンバー「00106」を持つこのモデルです。それは前作とは異なり、本作は実際に走らせることができる「完全動態のプロトタイプ」として誕生しました。

 とくに興味深いのは、そのメカニズムとパッケージングの成り立ちです。本車は、レース用マシンである「ディーノ206S」のタイプ599鋼管チューブラーフレーム(フレームNo.020)をベースに制作されました。

 ミッドシップに搭載される2リッターの「タイプ135B」V6エンジンは、後の量産型ディーノ(206GT/246GT)が横置きレイアウトを採用したのに対し、縦置きに配置されています。直前に発表された伝説の3シーター「365Pトレ・ポスティ」に通じる縦置きミッドシップのパッケージングは、レーシングカーのDNAを色濃く残すプロトタイプならではのハイライトといえるでしょう。

 美しいフライ・ジャッロ(イエロー)のボディラインは圧倒的な気品を放ちます。小さな楕円形のフロントグリル、カバー付きヘッドライト、流れるようなフライングバットレス構造のリアデッキなど、後に量産型へ継承されるアイコンが見事に調和しています。

 インテリアもブルーのクロス仕立てで洗練されており、実用的な居住空間と優れた視界を確保したことで、市販モデルへの現実的な架け橋となりました。

 このシャシナンバー00106は、発表直後から世界中の自動車メディアや書籍で絶賛され、名車史の重要な1ページとして刻まれました。1968年にアメリカへと渡って以降は、フェラーリ・クラブ・オブ・アメリカの会長を務めたカール・コンウェイ氏をはじめとする名立たるコレクターの手を巡り、1993年にはペブルビーチ・コンクール・デレガンスにも出展。近年も大切に動態保存されてきました。

 レースの血統を引くレーシングシャシ、走るプロトタイプとしての希少性、そしてピニンファリーナ黄金期の美しいデザインが見事に融合した歴史的価値により、今回のオークションのロットの中でもとくに注目を集めています。

 予想落札価格は300万ドルから350万ドル(約4億5000万〜5億2000万円)と提示されています。

Gallery 【画像】超カッコいい! 貴重な1966年式フェラーリ「ディーノ206」プロトタイプを見る(25枚)
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