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「この辛さの奥に深い味わいがあるんだよね…」日本有数の激戦区! 東京・神保町で並んでも食べたい老舗「カレーの名店」3選

続いての2軒もカレー好きなら必ず訪れたい有名店

●「カリーライス専門店 エチオピア 本店」

 次に紹介するのは、スパイスの刺激を求める層から絶大な支持を集める「カリーライス専門店 エチオピア 本店」です。

カリーライス専門店 エチオピア本店の「ビーフカリー」(1050円)。辛さは0〜70倍まで好みで選べる。ポテトはおかわり自由
カリーライス専門店 エチオピア本店の「ビーフカリー」(1050円)。辛さは0〜70倍まで好みで選べる。ポテトはおかわり自由

 1988年に創業した同店は、もともとはコーヒー専門店としてスタートしましたが、提供していたカレーの味が評判を呼び、現在のスタイルへと変わりました。

 エチオピアのカレーの最大の特徴は、小麦粉を一切使用せず、大量の野菜と12種類のスパイスをじっくりと煮込んで仕上げたサラサラとした質感のルーにあります。

 油分を極限まで抑えているため、食後は胃もたれしにくく、スパイスの香りだけがダイレクトに伝わる仕上がりとなっています。

 看板メニューである「チキンカリー」は980円で、ゴロゴロと入った大ぶりの鶏肉がスパイシーなルーと絶妙な調和を見せています。

 また、同店の名を全国に知らしめているのが、辛さを0倍から70倍まで指定できるという独自のシステムです。

 一般的な辛口がおよそ3倍程度とされており、自身の好みに合わせた細かな調整が可能となっています。

 さらに、同店でも付け合わせとして蒸したじゃがいもが提供されますが、こちらは食前や合間に食べることで、スパイスによる刺激を和らげる役割も果たしています。

●「スマトラカレー 共栄堂」

 そして、最後に紹介するのは、1924年に創業し、現存する日本最古のカレー店のひとつにも数えられる「スマトラカレー 共栄堂」です。

 大正13年から続くこの店の「スマトラカレー」は、明治時代に東南アジアで教わった作り方を、日本人の口に合うようアレンジしたものです。

 最大の特徴は、20種類以上のスパイスを1時間かけて丹念に焙煎することで生まれる、独特の濃褐色、あるいは黒に近い色味のルーにあります。

 この黒いルーは小麦粉を一切使わずに作られており、口に含むと最初に香ばしいほろ苦さが広がり、その後に具材の旨みとスパイスの爽快な辛さが押し寄せます。

 この独特の風味は、他のどのカレー店でも味わうことのできない「共栄堂」だけの唯一無二の存在感を放っているといえます。

 名物の「ポークカレー」は1300円で提供されており、柔らかい豚肉が黒いルーの中にたっぷりと沈んでいます。

 また、全メニューに共通して提供されるコーンベースの野菜ポタージュスープは、カレーの辛さを優しく包み込むような奥深い味わいです。

 神保町には他にも数え切れないほどのカレー店がありますが、これら3軒はそれぞれが欧州、インド、東南アジアといった異なるルーツを背景に持ち、この街で独自に昇華されてきた歴史をもちます。

 一軒一軒がこだわり抜いたスパイスの配合や調理法を守り続けており、その多様性こそがカレー激戦区としての厚みを作り出しています。

※ ※ ※

 今回取り上げた神保町の3つの名店は、それぞれが異なる時代に誕生し、独自の進化を遂げてきました。

 共通しているのは、流行に左右されることなく自分たちの味を頑なに守り続け、それが長年にわたって客に支持されているという事実です。

 一度足を運べば、単なる食事としてのカレーを超えた、店主の思想や歴史が凝縮された深い味わいに出会うことができるでしょう。

Gallery 【画像】おなか減った…東京・神保町にある「老舗カレー店」のカレーを写真で見る(20枚)
「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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