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WRCで勝つために生まれた半世紀前のランチアを発見 スーパーカー世代にはめっちゃ懐かしい「ストラトス」グループ4仕様とは

 2026年5月に開催されるコンコルソ デレガンツァ ヴィラ デステでのブロードアローオークション主催のイベントで、1975年式ランチア「ストラトスHFストラダーレ グループ4仕様」が出品される予定です。

 どんなクルマなのでしょうか。

 モータースポーツの世界において、そのカテゴリーを象徴する存在となったモデルは決して多くありませんが、ランチア・ストラトスHF(Lancia Stratos HF)はまさにその代表格といえる存在です。

 ラリーでの圧倒的な活躍によって広く知られるこのモデルは、ホモロゲーション取得以前から頭角を現し、引退後もなお長く第一線で戦い続けました。さらに、その実力はラリーにとどまらず、サーキットレースにおいても発揮され、ル・マン24時間レースや北米の耐久レースシリーズ「IMSA GTチャンピオンシップ」といった国際的な舞台にも参戦していました。

オークションに出品予定の1975年式ランチア「ストラトスHFストラダーレ グループ4仕様」(c)2026 BROAD ARROW Auctions
オークションに出品予定の1975年式ランチア「ストラトスHFストラダーレ グループ4仕様」(c)2026 BROAD ARROW Auctions

 今回出品される予定の1975年式の個体は、そうした輝かしい歴史を体現する一台です。

 イタリアの過酷なロードコースを出自とし、当初は「アズーロ・ストラトス」のボディカラーにブラックの内装という仕様で仕立てられました。

 1975年1月に生産され、翌1976年4月にローマへと納車されたことが記録から確認されています。その後、イタリア国内で2名のオーナーの手に渡ったのち、1979年3月にプライベーターのレーシングドライバーであるイタリア人、フランチェスコ・マルケーゼ選手が取得し、グループ4仕様へと改造されました。

 同年9月には、コッパ・インテルヨーロッパに参戦し、モンツァサーキットで実際にレースを戦った記録と写真が残されています。その後1985年まで登録が確認されており、長く競技の現場で使用されていたことがうかがえます。

 2004年になると、この車両はストラトスのスペシャリストとして知られるピエロ・ゴッピの手に渡ります。彼は同年8月にFIAヒストリック・テクニカル・パスポートを取得し、本格的にヒストリックラリーへの復帰を実現しました。マールボロ・カラーの象徴的なリバリーをまとい、自らステアリングを握ることも多かったゴッビのもと、この個体はヨーロッパ各地で30以上のヒストリックラリーに参戦しています。著名なイベントにも参加し、その活動は2017年まで続きました。

 2018年に一度個人コレクターの手へ渡り、2020年にはフランスにおいて著名なラリーカーコレクションの一部として収蔵されました。以降は専門家による定期的なメンテナンスが施され、良好なコンディションが維持されています。

 競技車両として長年にわたり実戦投入されてきた経歴から、シャシーナンバが過去に再刻印されている可能性がある点も指摘されています。これは当時のレーシングカーでは珍しいことではなく、事故や修復に伴う措置と考えられます。

オークションに出品予定の1975年式ランチア「ストラトスHFストラダーレ グループ4仕様」(c)2026 BROAD ARROW Auctions
オークションに出品予定の1975年式ランチア「ストラトスHFストラダーレ グループ4仕様」(c)2026 BROAD ARROW Auctions

 本車両には、FIA関連書類やランチアの認定証、当時の写真など豊富なヒストリーファイルが付属しており、その来歴の確かさを裏付けています。

 この1975年式ランチア「ストラトスHFストラダーレ グループ4仕様」、落札価格は60万ユーロから80万ユーロ(1ユーロ=187.2円換算で、日本円で約1億1230万円から約1億5000万円)と予想されています。

Gallery 【画像】スーパーカー世代にはササるね! 半世紀前のランチア「ストラトス」を写真で見る(25枚)
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