時速349.4キロは33年前の“世界最速”市販車! 長い間 日本で過ごしたジャガーを発見 走行わずか6500キロ 極上の「XJ220」の価値とは
予想落札価格は1億円超え
2026年5月に開催されるブロードアローオークション主催のオンラインオークションで、1993年式ジャガー「XJ220」が出品される予定です。
どんなクルマなのでしょうか。
1980年代後半、スーパーカー戦争はかつてない熱気に包まれていました。
ポルシェ「959」が最高速度197mph(約317km/h)、フェラーリ「F40」が公称201mph(約323km/h)、さらにブガッティ「EB110」が210mph(約338km/h)超と噂される中、その頂点を目指して登場したのがジャガーXJ220です。
その名は往年の名車XK120に呼応しつつ、目標とした最高速度220mph(約354km/h)という野心を体現していました。
このモデルの誕生背景は極めてユニークです。およそ十数名の技術者とデザイナーが「サタデークラブ」と呼ばれる非公式チームを結成し、業務外の時間を使って開発を進めました。
彼らは1988年のル・マン24時間レース総合優勝で培われたジャガーの技術的知見を存分に活かし、理想のスーパーカー像を具現化したのです。
生産台数はわずか277台。軽量アルミニウム外板の内側には接着構造のハニカムシャシが採用され、キース・ヘルフェットによるスタイリングは全長約4.9メートル、全高1.15メートルという劇的なプロポーションを実現しました。
搭載されるのはグループB由来の3.5リッターV型6気筒ツインターボで、約550PSを発揮し、5速マニュアルを介して後輪を駆動します。
最高時速349.4km/hと目標の220mph(約354km/h)にはわずかに届かなかったものの、市販車最速の称号を獲得し、コノリー製レザーで仕立てられた室内は、圧倒的性能と上質さが両立し得ることを静かに物語っています。

本車両は1993年1月11日に工場で完成した左ハンドル仕様で、スパ・シルバーの外装にスモークグレーの内装を組み合わせた1台です。
このカラーリングは当時のジャガーが車体の彫刻的なフォルムを際立たせるため、積極的に採用していたものでした。
1993年6月1日、日本の初代オーナーに新車納車され、同氏は極めて丁寧にこのクルマを管理しました。整備はル・マン優勝チームでもあるTWRジャガースポーツや、日本のルッソカーズに委ねられており、サービスブックにはその履歴が記録されています。
2015年にはイギリス人オーナーの手に渡り、本国へと戻された後、DKエンジニアリングにて100時間以上に及ぶ包括的な整備が施されました。
さらに2016年から2023年にかけてのオーナーのもとで大切に維持された後、再び同社へ入庫。世界的なXJ220の権威であるドン・ロウ・レーシングとの協働により、大規模な整備が実施されています。燃料タンクの交換をはじめ、クラッチや燃料系統、サスペンション、ブレーキキャリパー、各種ガスケットの刷新、スロットルケーブルの交換、さらにはTWR製クーラントパイプへのアップグレードなど、総額約3万5000ポンドに及ぶ作業が記録として残されています。
走行距離は新車時からわずか6500km余り。ナンバーズマッチングを維持し、充実した整備履歴と最新のメンテナンスを備えたジャガーXJ220は、同時代を象徴する希少なスーパーカーとして、極めて魅力的な存在といえるでしょう。
この極上の1993年式ジャガー「XJ220」、予想落札価格は55万ユーロから65万ユーロ(1ユーロ=184.9円換算で、日本円で約1億170万円から1億2020万円)とされています。
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