“アルヴェル”一強時代に終止符を打つ!? 日産 新型「エルグランド」の開発陣が示した“絶対王者”の揺るがない強みと「勝てる」と踏んだ領域
ドライバーが運転を楽しめる走りで“絶対王者”に対抗
ラグジュアリーミニバンの“絶対王者”といえば、いまや多くの人がトヨタの「アルファード」と「ヴェルファイア」を想像すると思います。ですが、同カテゴリーを生んだパイオニアといえば、実は日産の「エルグランド」なのです。
そんな「エルグランド」の新型が、いよいよ2026年夏に発売されます。人気やセールス面でリードを許す“アルヴェル”に対して、新型「エルグランド」はどのような個性を打ち出してくるのでしょうか?
筆者(西川昇吾)は先日開催されたプロトタイプの試乗会において、開発陣に「“アルヴェル”の存在は意識しましたか?」と尋ねてみました。すると、「意識していないといえばウソになります。開発に際して“アルヴェル”のいろいろな部分をチェックしました」と回答してくれました。
「アルファード」と「ヴェルファイア」をライバルとして研究していく中で、開発陣が「さすがだな!」と感心させられたのは“高級感の演出”だったそうです。
乗り心地や装備、インテリアの質感など、キャビンにいる人、つまり、乗って移動する人が「ラグジュアリーだ」と感じるポイントを“アルヴェル”はキッチリと押さえていて、よくできているのだそうです。
先述したように、ラグジュアリーミニバンは「エルグランド」が開拓したジャンルですが、いまや高級感で先行する“アルヴェル”に対して真っ向勝負を挑んでも分が悪いのは明白。そこで新型「エルグランド」は、ラグジュアリーミニバンにふさわしい質感を持たせながら、ドライバーが運転して楽しいと思える“走りのよさ”を武器とできるよう意識して開発したそうです。

そこで誕生したコンセプトが“リミットレスグランツアラー”。こうして、どこまでも運転したくなるような走りを楽しめるミニバン、新型「エルグランド」が誕生することになったわけです。
しかも運転の楽しさを、クルマ好きだけでなく運転が苦手だと感じる人に対しても提供できるよう、つくり込みを意識したのだとか。そのため、取りまわしのよさや、前方死角を違和感なく映し出す“インテリジェントアラウンドビューモニター”など、多くの人が安心してドライブできる仕様や装備にこだわっています。
●ジャパニーズモダンなデザインも新型の特徴
また開発陣によると、“アルヴェル”との差別化を図る上でもうひとつ、注力した点があったそうです。それは、デザインの方向性。
押し出し感が強い「アルファード」と「ヴェルファイア」に対して、新型「エルグランド」は「ジャパンモビリティショー2023」に出展されたコンセプトカー「ハイパーツアラー」に端を発するデザインを採用。随所に“組子(くみこ)”をモチーフとしたデザインが施されている、ジャパニーズモダンを感じさせる仕上がりとなっています。

「ハイパーツアラー」の好評を受けてデザインの方向性が決定したそうですが、エクステリアデザインという最も分かりやすいポイントで「アルファード」や「ヴェルファイア」とのキャラクターの違いをしっかりと打ち出せたことは大きなポイントになるといえるでしょう。
「アルファード」と「ヴェルファイア」という“絶対王者”がいたからこそ、その強みを意識しながら独自のコンセプトを打ち出すことができた新型「エルグランド」。
実際に乗ってみると、その走り味は高級ミニバンとして質の高いものでありながら、ドライバーズカーとして見ても高く評価できる仕上がり。それは、ラグジュアリーミニバンの新しい世界観を体現した走り味といえるでしょう。
ラグジュアリーミニバンのパイオニアである「エルグランド」の常識を覆す進化は、このカテゴリーの新たな1ページを開くことになりそうです。
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