伝説のラリーカー「ランチア037」をレストモッド! 現代に蘇った「キメーラ エボ37」って何? オークションで注目を集める理由とは
「1976年式」なのに、完成したのは2025年という不思議なクルマ
1970年代から80年代のランチアといえば、ラリー好きならずとも「037(ゼロサンナナ)」を思い浮かべる人は多いでしょう。
1983年のWRCで、アウディ・クワトロを相手にランチアがタイトルを獲得した、最後の後輪駆動WRCチャンピオンマシンです。
そんな伝説の037を現代に蘇らせたのが、イタリアのキメーラ・アウトモビリ。今回、ブロードアロー・オークション主催の「ザウテ・コンクール・オークション2026」に出品されるのは、そのキメーラが手がけた「EVO37」です。
興味深いのは車両の年式。カタログ上は1976年式の「ランチア」とされていますが、実際にこのクルマが完成したのは2025年3月。つまり、半世紀前のクラシックカーがそのまま保存されているわけではありません。
ベースとなるランチア・ベータ・モンテカルロのシャシを徹底的に手直しし、補強を施したうえで、037をモチーフとしたカーボンファイバー製ボディを組み合わせています。
さらにエンジンも、イタルテクニカが製作した2.1リッター直列4気筒。スーパーチャージャーとターボチャージャーを組み合わせるツインチャージャー方式を採用し、最高出力は約505馬力、最大トルクは550Nmに達します。

6速MTを介して後輪を駆動し、0-100km/h加速は約3秒、最高速度は約310km/h。オーリンズ製サスペンションやブレンボ製カーボンセラミックブレーキなど、現代の高性能スポーツカーに負けないメカニズムが投入されています。
つまりキメーラEVO37の価値は、「古いクルマを大切に保存した」というところだけにはありません。037という歴史的な存在をベースにしながら、現代の技術と職人技で一台のクルマとして再構築した、いわゆる「レストモッド」の最高峰のひとつなのです。
しかもEVO37は大量生産されるモデルではなく、キメーラ・アウトモビリによってわずか37台が製作されたものです。今回の個体はその18号車。走行距離はわずか237kmで、ほぼ新車といえるコンディションです。
さらにボディカラーには、ランボルギーニのミウラやカウンタックを思わせるブラウン系の「Kimera Luci del Bosco」を採用。ゴールドのホイールとベージュのレザーを組み合わせることで、往年のイタリアンスーパーカーを意識した仕様となっています。
気になる落札予想価格は95万~115万ユーロ。日本円にすれば、おおむね1億6000万円台から2億円近くという水準です。
1976年式という数字だけを見れば、半世紀前のクラシックカー。しかし実際には、2025年に完成した最新鋭の高性能マシン。
そのうえ37台限定という希少性まで持つキメーラEVO37は、「クラシックカーを買う」というより、「伝説を現代に再構築した作品を手に入れる」と考えたほうが、その価格の意味がわかりやすいかもしれません。
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