スーパーカーブーム世代には懐かしい! 54年前の「パンテーラ」がオークション登場 グループ3仕様の「赤いデ・トマソ」の価値は
5.8リッターV8を搭載するグループ3仕様
1970年代のスーパーカーブームを知る世代にとって、デ・トマソ・パンテーラは忘れられない存在です。
イタリアンデザインの低く鋭いボディに、アメリカ製フォードV8を搭載するという異色の組み合わせは、フェラーリやランボルギーニとはまた違った魅力を持っていました。
今回、ブロードアローの「ゾルテ・コンクールオークション2026」に登場するのは、そんなパンテーラのなかでも特別な1台、1972年式「パンテーラGTS グループ3」です。
パンテーラは1971年に登場。アメリカのフォードとの提携によって、5.8リッターV8をミッドシップに搭載したスーパーカーとして注目を集めました。今回の個体は、そのパンテーラGTSをベースに、FIAグループ3の競技規定に合わせて仕上げられたモデルです。
デ・トマソでは1972年から1984年にかけて、グループ3、グループ4、グループ5仕様のパンテーラを特別注文で製作しました。なかでもグループ3は市販車に近い姿を残しているのが特徴です。
5.8リッターV8にはホーリー製4バレルキャブレターや強化カムシャフト、大容量オイルパンなどが組み込まれ、最高出力は336馬力。5速のクロスレシオ・トランスミッション、強化クラッチ、LSDを組み合わせます。さらにKoni製調整式ダンパー、前後異径の15インチ・カンパニョーロ製ホイール、ロールバー、軽量アクリルウインドウ、バケットシートなどを装備しています。

シャシナンバー「THPNMY04692」のこの個体は、1972年11月17日にデ・トマソへ発注された記録が残っています。
1993年まで初代オーナーが所有した後、翌1994年にはデ・トマソ・モデナの公式ワークショップで大規模なレストアを実施。この際、もともとのシルバーから現在のレッドへ塗り替えられています。
そして2000年には、デ・トマソのファクトリー系レーシングチームとして知られるサラ・ウィリアムレーシングへ。ここでグループ3仕様へコンバートされ、2007年には同社による仕様適合証明も発行されています。
その後はフランスへ渡り、ツール・オートをはじめヨーロッパのヒストリックイベントで活躍。2010年のツール・オートではクラス優勝を果たし、2022年にも同イベントへ参加しています。
現在はFIAヒストリック・テクニカル・パスポートを取得しており、その有効期限は2032年まで。つまり単なるコレクターズカーではなく、今後も歴史あるクラシックレースで走らせることができる1台なのです。
今回の予想落札価格は13万~17万ユーロ。日本円では、1ユーロ=175円として約2275万~2975万円となります。しかも今回は「Without Reserve」、つまり最低落札価格なしでの出品です。
スーパーカーブームで少年たちを熱狂させたパンテーラが、いまなお本格的なヒストリックレーサーとして走り続けている…。そんなストーリーまで含めて、非常に魅力的な1台と言えそうです。
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