VAGUE(ヴァーグ)

高速道路で“江戸散歩”を楽しめるって!? どこか懐かしい町並みに思わず長居したくなる 和風テイストな「SA・PA」3選

続いては東北自動車道のPAと常磐自動車道のSA

●東北自動車道「羽生パーキングエリア(上り線)」

 次に紹介するのは、東北自動車道にある「羽生パーキングエリア(上り線)」です。

 埼玉県羽生市に位置するこの施設は「鬼平江戸処」というテーマを掲げ、池波正太郎の小説『鬼平犯科帳』の世界観を取り入れた施設として知られています。

東北自動車道「羽生パーキングエリア」
東北自動車道「羽生パーキングエリア」

 このテーマには、周辺地域の歴史が関係しています。かつて近隣の栗橋には、江戸への出入りを管理する栗橋関所がありました。こうした歴史的背景を踏まえ、江戸の雰囲気を感じられる空間がつくられています。

 建物の外観は、江戸時代の文化が花開いた文化文政期の町並みをイメージしたものです。一般的な高速道路の休憩施設とは異なる佇まいで、敷地内を歩くだけでも当時の町を訪れたような気分を味わえます。

 食事では、小説にも登場する軍鶏鍋屋を再現した「五鉄」が見どころのひとつ。作品の世界観を感じながら、江戸の食文化をイメージした軍鶏鍋などを楽しめます。

 さらに、老舗が監修する「本所さなだや」では江戸そばを味わえるほか、うなぎ専門店の「忠八」や、江戸前料理の技術を受け継ぐ「万七」など、さまざまな飲食店が揃っています。

 甘味を楽しみたい人には、1805年創業の「船橋屋」による元祖くず餅や、七福神をかたどった人形焼きを販売する「文楽焼本舗」もあります。

 土産物店「みやげ処 屋台連」では、老舗の七味唐辛子や和雑貨、鬼平にちなんだオリジナル商品などを取り扱っています。歴史や小説の世界観、食文化をまとめて楽しめる点が、羽生パーキングエリアならではの魅力といえるでしょう。

●常磐自動車道「友部サービスエリア(上り線)」

 最後に紹介するのは、常磐自動車道にある「友部サービスエリア(上り線)」です。

 茨城県笠間市に位置し、「常陸の海」をテーマにしながら、武家屋敷や蔵をイメージした和風建築を取り入れています。

常磐自動車道「友部サービスエリア」
常磐自動車道「友部サービスエリア」

 白壁と瓦屋根を基調とした外観が特徴で、落ち着いた和の雰囲気と、にぎわいのある商業施設としての機能を両立しています。施設内の飲食店や売り場にも、地域の文化や食材を生かした工夫が見られます。

 フードコート「珠玉の蔵」では、地元の伝統工芸品である笠間焼の器を使って料理を提供。食事を楽しむだけでなく、器を通じて地域のものづくりに触れられるのも特徴です。

 飲食店は、取り扱う食材や料理によって特色が分かれています。大洗の名店から仕入れた干物を使った定食を提供する「魚の蔵」では、魚料理を楽しめます。一方、「肉の蔵」では、茨城県の銘柄豚であるつくば美豚を使った丼物などを用意しています。

 このほか、地粉を使ったオリジナル麺を味わえる「粉の蔵」や、茨城県産豚を使ったカツカレーを提供する「菜の蔵」もあります。好みに合わせて店を選びながら、地元の食材を使った料理を楽しめる構成です。

 テイクアウトコーナーにも個性的な商品がそろいます。甘辛い味噌で焼き上げた白モツや、茨城県産のサツマイモを砂糖を使わずに仕上げた「飲む焼き芋」など、ひと味違った軽食も販売されています。

 土産物を探すなら「おみやげの蔵」に立ち寄るのもおすすめです。水戸の銘菓である吉原殿中をはじめ、茨城県やみちのくの老舗商品、各地の特産品などを幅広く取り扱っています。

※ ※ ※

 今回取り上げた3つの施設は、いずれも独自の歴史的テーマや地域の伝統文化を設定し、建物から食事の構成にいたるまで一貫した和風の空間づくりがおこなわれています。

 このようなサービスエリアやパーキングエリアは、長距離移動の途中に立ち寄るだけでなく、その空間自体を体験し、地域の歴史や食文化を学ぶ機能を持っています。

 各地域の特色や歴史を反映した施設環境は、高速道路を利用したクルマでの移動において、休憩の時間をより印象的なものへと変化させているといえそうです。

Gallery 【画像】高速道路でタイムスリップ気分!? 3選で紹介したSA・PAを写真で見る(22枚)

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