ランボルギーニ「350GT」は同時代フェラーリより遥かに豪華!! フェルッチオが目指したのはロールス・ロイスでした【THE CAR】
目指したのは、イタリア生まれのロールス・ロイスやベントレーのスポーツカー
始まりは、「ウラカン」なのだ。「ウルス」も、そうだ。
次の50年に向けて、ステファンは歴史の起点をもう一度、われわれに思い出させ、それをミウラ以降に知れ渡ったミドシップ・スーパーカーブランドという立場をミックスさせることで、ヘリテージ的にも破綻のない、ランボルギーニ・ファナティックを納得させるに十分な(フェルッチオを出されたんじゃ、ぐうの音も出ない)、そして、いっそうの台数増も見込める、実に巧妙な未来戦略を打ち立てた。

●驚愕のグラン・ツーリズモ
そう、ランボルギーニは今、スーパーカーブランドの第一人者であることを強烈にアピールしつつも、フェルッチオの理想を上手く取り入れようとしている。その答が、ウラカンであり、アヴェンタドールの派生モデルであり、アド・ペルソナムであり、そしてウルスなのだ。
時の流れ、時代の移り変わりを感じつつ、今一度、350GTに目を向けてみよう。まず、目を奪われるのが、まるで彫刻アートのように繊細でグラマラスなスタイリングである。同時代のフェラーリに比べれば、その凝りようは一目瞭然。圧倒的なデザインアピアランスを誇っている。
とくに、キャビンまわりからリアへと絞り込んだデザインが、素晴らしい。ガラスウインドウは信じ難いほど美しくカーヴを描き、華奢なピラーがその流れを遮断しないよう支えている。この脇に立って、キャビンまわりを眺めれば、毎日違う発見があるだろう。それほど、350GTのスタイリングには、さまざまな表情が潜んでいて、観る者を飽きさせない。
筆者は以前、本社ミュージアムに展示されている、赤い350GTを借り出して、サンタアガタ・ボロネーゼの街をドライブしたことがある。
「400GT」の経験はあったが、350GTは、それが初めて。基本的なメカニズムは排気量以外にさほど変わらない2台(350GTはボディがオールアルミニウムである)だが、それでもランボルギーニ史の起点となるミュージアムカーが相手。かなりの緊張を強いられたものだった。
ひとたび、コクピットに腰を下ろせば、カプセルに包まれたかのような、非常に快適な空間が広がった。乗降性の良さは、後のスーパーカーたちとは比べようもない。
インテリアの雰囲気もまた、同時代のフェラーリよりかなりラグジュアリーだ。レザーの質感を最大限に生かし、スポーティさを失わない範囲でゴージャスに仕立てた。なるほど、これはイタリア生まれのロールス・ロイスやベントレーのスポーツカーだ。
ライドフィールも洗練のひと言。エンジンはスムースに澱みなく回り、十分にパワフルであって、ジェントル。引っ張ってまわすなんて野暮なことをせずとも、存分に心地よくなれる。
フェルッチオの目指す理想像をもっとも強く感じたのは、シャシの動きだった。ノーズの遅れが自然で心地よく、その後の動きは正確にして、たおやか。リッチなハンドリングだ。なるほど、これならドライバーも楽しめるし、レディの気分も悪くはならないだろう。
350GTに端を発するフェルッチオの理想は、次の50年にいっそう、採り入れられていくに違いない。
●LAMBORGHINI 350GT
ランボルギーニ350GT
・生産年:1964年−1967年
・年式:1967年
・総排気量:3464cc
・最高出力:270ps/6500rpm
・トランスミッション:5速MT
・最高速度:250km/h
・全長×全幅×全高:4500×1630×1220mm
・エンジン:水冷V型12気筒DOHC
・最大トルク:33.0kgm/4000rpm
・0−100km/h加速:6.8秒
・生産台数:約130台
●取材協力
魔方陣スーパーカーミュージアム
所在地:栃木県栃木市野中町553
営業時間:10:00−17:00
休館日:月、木曜日、年始年末
TEL.0282-20-5521
www.mahoujin-lp400.jp
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