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【クルマ×アソビ #3】「天城山」は伊豆スカイライン日帰りドライブとセットで楽しんで正解

日本百名山の73番目の「天城山」で山の珈琲を淹れてみました

 日本百名山「山の珈琲」は初回の「谷川岳」で早くも試練を受けることになったので、その反省も含めてもっと初級者でも楽なルートにしようと選んだのが「天城山」。伊豆半島は隈なくクルマで走ったことのある土地勘のある地。しかもミニベロ「BD−1」で半島一周した経験もあるので、アップダウンの感覚も熟知しているつもり。ドライブついでのハイキングとして選んだのでした。

富士山を横目に、伊豆スカイラインを南下
富士山を横目に、伊豆スカイラインを南下

 午前3時45分に自宅のある横浜を出立し、まだ渋滞前の東名高速道路で厚木ICまで。そこからは小田原厚木道路で西へ進み、箱根新道を上って箱根峠まで。これで伊豆半島の付け根まで到着。そこから熱海箱根峠線で南下、熱海峠料金所から天城高原料金所まで、伊豆スカイライン全線を走破し、遠笠山富戸線で天城高原ゴルフコースまでというルートだ。

 深田久弥は『日本百名山』の天城山の章で、自動車専用道路が完成して天城山がマイカー族に侵食されていることを嘆いていたけれど、それは昭和30年代の話。初版が1964年なので、ちょうど伊豆スカイラインが熱海峠から天城高原まで開通した年と重なる。きっと伊豆スカイラインのことを指していたのだろう。しかしそのおかげで南伊豆の下田までの日帰りドライブも当たり前になった。

 この日の山行のパートナーは、フィアット「500Xクロス」。可愛らしい「500(チンクエチェント)」の姿をした小さなクロスオーバー、と紹介したらよいだろうか。

 まだ陽が昇る前に熱海峠料金所に到着。トイレも新しくなっているので、ここで小休止しつつ、日の出時刻まで時間調整をすることにした。ちなみに、伊豆スカイラインは夜22時から朝6時まではゲートは無人になり、料金はかからない。この日は6時前に熱海峠から伊豆スカイラインに入ったけれども、天城高原料金所できちんと全線の料金1000円を支払った。

 伊豆スカイラインはアップダウンと連続するコーナー、そして何より見晴らしの良いルートなので、これまでも数々のスーパーカー&スポーツカーで試乗しているホームグラウンドでありテストコースでもある。

●伊豆スカイラインから天城山の縦走が始まっている

 フィアット500Xクロスは、最高出力151ps・最大トルク270Nm、車両重量は1440kgなので、ワイディングはそれほど気持ちよく走らないだろうと侮っていたけれど、そこはイタリアのクルマ。パドルでシフトチェンジしつつ、常にエンジン回転数を美味しいところでキープしながらのドライブが楽しい。

 ワインディングロードの楽しみは、いかに速く走るかではなくて、いかにクルマとドライバーが一体となってコーナーをクリアしていくのかという点が大切だ(そもそも法定速度というのがあるので、気持ちよく走るために速度超過してはいけないことは前提の上で)。

 たとえば、ランボルギーニ「アヴェンタドールS」だと、亀石峠までで十分という気持ちになって引き返したが(個人的に四輪操舵は超ニガテ)、「ウラカン ペルフォルマンテ」だと天城高原まで走ってなお、その先の南伊豆までドライブしてしまったほどワインディングを走るのが楽しいクルマだった。

 500Xクロスの楽しさは、ペルフォルマンテとは違う楽しさだ。アクセルペダルを踏みさえすれば、どこからでも望む加速が得られる代わり、その凶暴なパワーを御するというヒリヒリするようなスリルがペルフォルマンテにはある。一方の500Xクロスはエンジンのもっとも美味しいところを引き出すために、ギアとペダル操作に集中してドライブする楽しさがある。

万三郎岳で淹れた山の珈琲でリフレッシュ。天城山のシャクナゲコースは日帰りコースとしてほどよい距離だ
万三郎岳で淹れた山の珈琲でリフレッシュ。天城山のシャクナゲコースは日帰りコースとしてほどよい距離だ

 そんな500Xクロスを積極的にパドルで操作して、目星をつけていたポイントまで駆ける。伊豆スカイラインは富士山が美しく見えるポイントがいくつかあって、早朝の時間には富士山を撮影している人がちらほら。500Xクロスと富士山をカメラの画角に収めながら気持ちよく伊豆半島を南下していく。

 亀石峠から先には見晴らしの良い景色はないので、むしろドライブに全集中。登山者にとっては陽が昇ってしまうと出遅れた感が拭えないが、一般の観光客にとってはまだまだ早い時刻。前を走るクルマもなく(さらにいえば背後から迫ってくるクルマもなく)、自分と500Xクロスのペースで天城高原駐車場(ハイカー専用)までの濃密な時間を過ごすことができた。

Next天城山から遠くの富士山を眺めながらコーヒーを味わってみました
Gallery 【画像】天城山で山の珈琲を淹れた1日を【画像】で振り返る(50枚)
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