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「ラ フェラーリ」の相場は新車の3倍! 500台目のラ フェラーリが8億円近い価格だった理由とは

「エンツォ」を超える「フェラーリ」とは

 2002年にデビューを果たした「エンツォ フェラーリ」から10年以上の時を経て、新たなフェラーリのスペチアーレが誕生したのは2013年の春に開催されたジュネーブ・ショーでのことだった。それまで「F150」の開発コードで呼ばれ、当時のCEOであったルカ・ディ・モンテゼモーロが、「新作はハイブリッドのメカニズムを持つ」と公言していたニュー・スペチアーレ。前作でエンツォという創業者の名前を使っただけに、それを超えるいかなる車名を与えるのかにも、世界のファンの注目は集まった。

「ラ フェラーリ」の現在の相場は、ほとんどの個体がテーラーメイドでビスポークされているはずなので、新車価格の2〜3倍といったところだろう(C)2022 Courtesy of RM Sotheby's
「ラ フェラーリ」の現在の相場は、ほとんどの個体がテーラーメイドでビスポークされているはずなので、新車価格の2〜3倍といったところだろう(C)2022 Courtesy of RM Sotheby's

●2010年代スーパーカー御三家の1台

 ジュネーブで発表された生産型のF150には、「ラ フェラーリ」なる車名が掲げられていた。英語に訳すのならば、「The Ferrari」に相当する言葉で、まさしくエンツォと並ぶ価値を持つネーミングといえただろう。

 見た目の第一印象から、優れたエアロダイナミクスを想像させるエクステリア・デザインは、フラビオ・マンツォーニ率いるフェラーリ自身のデザイン部門の手によるもの。CFD解析や風洞実験を徹底的に繰り返しおこなわれ、ディフューザーやアンダーパネルが可変するアクティブエアロダイナミクスも採用されて話題になった。

 前作のエンツォと比較して、捻じり剛性で22%増、一方重量では約20%の軽減を実現したというカーボンモノコックにサブフレームを介して搭載されるエンジンは、モンテゼモーロCEOの宣言どおりにハブリッド・システムを搭載したものだった。

 エンジンは65度のバンク角を持つ6262ccのV型12気筒DOHC。このエンジンで800psの最高出力を得たうえで、2基のモーターの1基が163psでサポートする。ちなみにもう1基のモーターはエンジンの前方に搭載され、これはバッテリーの充電や補器類の駆動などをおこなうために使用される仕組みとなっている。

 フェラーリはこのシステムをHY-KERSと呼ぶが、前後して誕生したポルシェ「918」やマクラーレン「P1」がPHEVであったのに対して、ラ フェラーリは外部電源からの充電は不可能なマイルドハイブリッド車。それでもトータルで963psの最高出力と900Nm以上の最大トルクから、3秒未満の0ー100km/h加速と350km/h以上の最高速を記録するとともに、330g/kmというCO2排出量を実現してみせたのだ。

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