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“モリゾウさん”の情熱が生んだ「GRカローラ」は「GRヤリス」超えの304ps! 日本仕様は2022年後半に登場

GRカローラ誕生を後押しした“モリゾウさん”の情熱

 ここからは、そんなGRカローラが誕生した背景について推察したい。

 走行性能はもちろんだが、“実用性”という観点から見ても、GRカローラには明確な存在意義がある。WRCマシンのベース車両として開発されたGRヤリスは、リアへいくに連れて低くなるルーフラインなど、戦闘力向上のために空力特性を突き詰めた専用ボディをまとう。その分、頭上空間が犠牲になったリアシートへのアクセスは、3ドアということもあってかなり大変。実質、リアシートはオマケ的な存在だ。

 しかし、5ドアハッチバックがベースのGRカローラは、リアシートの居住性も確保され、ファミリーユースでも問題はなさそう。GRヤリスと比べると、より身近なスポーツモデルに仕上がっていると思う。

 また、現行カローラの発表の際「初めて自分のお金で買ったクルマは、“羊の皮をかぶった狼”と呼ばれた(4代目の)『カローラ1600GT』でした。忘れられない青春時代の思い出が詰まったクルマです」とコメントしていることからも明らかなように、豊田章男社長のカローラに対する思いは並々ならぬものがある。今回のお披露目に際しても「『お客さまを虜(とりこ)にするカローラを取り戻したい!』とのモリゾウこと社長の豊田の強い思いで、GRカローラの開発が始まりました」とアナウンスされているように、GRカローラはカローラブランドの名誉挽回の役目を担っているのだろう。

“羊の皮をかぶった狼”と呼ばれた4代目のカローラ1600GTにかつて乗っていた豊田章男社長。カローラに対する思いは並々ならぬものがある
“羊の皮をかぶった狼”と呼ばれた4代目のカローラ1600GTにかつて乗っていた豊田章男社長。カローラに対する思いは並々ならぬものがある

 たとえば、カローラの長年のライバルであるフォルクスワーゲン「ゴルフ」には、GTIやRといったブランドを代表するスポーツモデルが存在する。同様のベクトルで開発したGRカローラも、カローラ全体のイメージリーダーにしたいとの思いが今回のコメントからうかがえる。

●CAFEの余裕もスポーツモデルの追い風に

 もうひとつ、GRカローラで興味深いのはトヨタに“余裕”があることだ。

 先日、スバルの北米部門は「次世代の『WRX STI』がこれまでどおりのスタイルで生産されることは当面ない」と明らかにしたが、その理由はCAFE(企業平均燃費)の足かせによって燃費の悪いスポーツモデルを生産・販売するのが難しくなっているためだ。これはスバルに限らず、他の多くのメーカーが抱える悩みでもある。

GR-FOURは、駆動配分を制御する4WDモードと、アクセルの応答性やステアリングなどを制御するドライブモードとを分割して制御。好みや走行状況に応じた細かい選択が可能になった
GR-FOURは、駆動配分を制御する4WDモードと、アクセルの応答性やステアリングなどを制御するドライブモードとを分割して制御。好みや走行状況に応じた細かい選択が可能になった

 それに対してトヨタは、ハイパフォーマンスモデルであるGRカローラを世に送り出そうとしている。これはハイブリッドカーの開発・セールスで他に先駆けたトヨタが、その恩恵として他社よりCAFEの余裕を得たことの証でもある。GRカローラはもちろんのこと、この先GRがどんなスポーツモデルを世に送り出してくるのか、興味は尽きない。

●Toyota GR Corolla
トヨタ GRカローラ(北米仕様/開発目標値)
・全長:4410mm
・全幅:1850mm
・全高:1480mm(アンテナ含む)
・ホイールベース:2640mm
・車両重量:1475kg
・エンジン形式:直列3気筒DOHC+ターボ
・排気量:1618cc
・駆動方式:4WD
・最高出力:304ps/6500rpm
・最大トルク:370Nm/3000−5550rpm
・サスペンション:(前)ストラット式、(後)ダブルウィッシュボーン式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)235/40R18、(後)235/40R18

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「カチッ」と日常をオフに。至福の時を刻む、マインドフルネス

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