「フェラーリ初のSUV」がついに姿を表した! フェラーリ史上初の4ドア4座モデル 新型「プロサングエ」世界初公開
フェラーリ初となるアクティブサスペンションを採用
フェラーリ初のアクティブサスペンションが採用されたこともプロサングエの特徴です。
これはモーター、ギア、リサーキュレーティング・ボールスクリューなどを組み合わせ、モーターの力で4輪の位置を個別に制御するシステム。
ただし、メカニカルなスプリングとダンパーは残されているので、完全にモーターだけでホイール・ストロークを管理しているわけではありません。1980年代から1990年代にかけてF1で活躍したアクティブサスペンションのように、スプリングとダンパーを完全になくすこともできなくはありませんが、そうするとモーターが消費する電力が極端に大きくなり、エネルギー効率の低下を招くため、この方式が採用されました。

同様のメカニズムを採用するモデルは他メーカーにもありますが、フェラーリはロールやピッチといったボディの動きを完全に排除するのではなく、タイヤの接地性やドライバーの操縦感覚を加味しながら、“ほどよいフラット感”を追求したといいます。この辺の味付けも、注目されるところです。
エクステリア・デザインは、フロントは「296GTB」、リアは「ローマ」と似ている部分がなくもありませんが、それでも全体としてまとまりよく、フェラーリらしい躍動感あるデザインに仕上がっています。
1589mmの全高が、あまり感じられない工夫が施されているところにも、フェラーリ・デザインチームの手腕が発揮されているといえるでしょう。
もうひとつ、注目されるのは、リアドアが後ヒンジの前開きで、前後ドアがいわゆる“観音開き”となることでしょう。ただし、Bピラーは残され、強固なボディ剛性の実現に寄与しています。
フェラーリらしいスポーティなデザインでまとめられたキャビンには、4つの独立したシートが設けられています。
これは後席の乗員も安心してスポーツドライビングを楽しめるために考えられたもので、プロサングエに5シーターは用意されません。この辺もフェラーリらしい割り切りといえます。
※ ※ ※
フェラーリは、プロサングエの発表前に先立ち、およそ2000人の顧客に事前予約をとったところ、大変な好評を得たといい、本格的に受注が始まれば納期は1年から2年程度まで延びると予想しています。
それでも、フェラーリはプロサングエの生産台数を全体の20%程度に抑え、増産する計画はないといいます。これは、フェラーリの希少性を維持するために採られる措置のようです。
プロサングエのイタリアでの価格は付加価値税込みで39万ユーロ(約5400万円)。デリバリーは2023年の第2四半期から始まるそうです。
Ferrari PUROSANGUE
フェラーリ・プロサングレ
・全長:4973mm
・全幅:2028mm
・全高:1589mm
・ホイールベース:3018mm
・車両重量:2033kg
・エンジン形式:V型12気筒DOHC
・排気量:6496cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速F1 DCT
・エンジン最高出力:725cv/7750rpm
・エンジン最大トルク:716Nm/6250rpm
・最高速度:310km/h
・0−100km/h加速:3.3秒
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