VAGUE(ヴァーグ)

プチ移住で手に入れた夢の「マイボート」! 維持費は? どうやって買うの? 釣り三昧の趣味ライフを実現する方法【釣りボートLife #01】

湾岸のタワマンから、海辺への移住

 僕は移住前、都内のマンションに、妻と3歳になる息子の家族3人で暮らしていました。

 もともと海と山と川に囲まれた九州の田舎で育った僕は、釣りや野遊びが大好き。都会はなんでもあって便利だけど、いつかは息子も自然の中に身を置き、楽しく遊ぶことを覚えてほしいなぁと思っており、ときどき仕事の合間に「いつかは田舎に移住したいなぁ」と移住先をネットで探し、妄想を膨らませては行動に移すチャンスをうかがっていました。

 そんなある日、保育園に通っていた4歳の息子が登園を強烈に拒否しはじめたのをきっかけに、自然の中で遊べる、少し田舎の環境を緊急リサーチし始めました。

 やがて、“海と山が園庭”というキャッチフレーズの保育園を神奈川県逗子市に発見。体験に行って、息子があっという間に心を開いた様子を見て、この保育園に入りたい!とすぐに手続きを進め、即決!

 その足で、地元の不動産屋に駆け込み、今度は家さがしです。毎週のように物件探しを進め、新居も葉山に見つけました。

毎日山の泥道をあがっての探検&ターザン遊び。ご飯を食べたら午後は海でカニ取り! ピカピカの最新施設で管理された都会の保育園から、すっごい落差だけど、子どもには最高の環境。僕が通いたい!
毎日山の泥道をあがっての探検&ターザン遊び。ご飯を食べたら午後は海でカニ取り! ピカピカの最新施設で管理された都会の保育園から、すっごい落差だけど、子どもには最高の環境。僕が通いたい!

 毎日、山の泥道をあがっての探検&ターザン遊び。ご飯を食べたら午後は海でカニ取り! 

 ピカピカの最新施設で管理された都会の保育園から考えられないほどの落差だけど、遊んで育つ子どもには最高の環境。ハッキリ言って僕が通いたい!

 でも、この逗子葉山エリアに決めたのは、保育園だけでなく、都会との程よい距離感がちょうどよかったというのも大きな理由でした。海や山が近くにあっていろんなことができるのはもちろん、都心までは電車でわずか1時間。本を読んだり仕事をしていればあっという間に到着です。しかも逗子は横須賀線の始発なので、座って通勤できます。

 大型のショッピングセンターはありませんが、スーパーはいくつもあるし、クルマさえあれば、横須賀や藤沢まではすぐの距離。まったく不便を感じません。

 いつかチャンスがあれば…と夢想していた東京脱出が、このタイミングで実現できたのもなにかの運命です。一度きりの人生、後悔のない選択はどれだ?と考えたら、家族一同で迷いなしでした。

ウッキウキでボートを探すものの、価格の高さに撃沈……

 さて、怒涛の引っ越しから、2カ月ほどたちました。息子は毎日楽しげに保育園へいき、妻は保育園のママ友がたくさんでき、ふたりとも毎日発見の連続でなんだか楽しそう。

 ……とか言っている自分が、実は一番楽しんでいました。日中の仕事時間が落ち着いたら、朝晩ひとりで逗子葉山の海岸や川沿いを歩いて観察しながら、クロダイやキス、マゴチなど、おいしい魚を釣る毎日。

ふらりと近くの森戸海岸へ出かけてクロダイをルアーで釣るつもりが…波打ち際で60㎝オーバーのマゴチ!翌日、保育園で唐揚げになりました。
ふらりと近くの森戸海岸へ出かけてクロダイをルアーで釣るつもりが…波打ち際で60㎝オーバーのマゴチ!翌日、保育園で唐揚げになりました。

 釣りは僕のライフワークです。結婚して間もないころ、妻とささいなことでケンカになったことがあります。

「釣りなんてたかがシュミじゃないの!」と言われ、僕は

「釣りを趣味なんていうんじゃねえ! 釣りは人生そのものだっ!」

 と言い返したことがあります。割と本気で……。今となっては恥ずかしいですが…それぐらい好きってことです(笑)

 そんな僕がいつか叶えたかった夢。それはボートオーナーになって、沖の魚を釣りまくること。家の前に広がっている相模湾。こんなところに来てしまったら、夢へ進む歩みはもう止められません。

 船かぁ……、船ねぇ。

 【船 逗子 葉山】
(→検索をクリック……はっ! 指が勝手に!!)

 調べてみると、船を持つポイントは3つ。

・ボート
・係留場所
・コスト

 神奈川県は行政が中心となって、漁港に併設したプレジャーボートを係留できるマリーナがいくつもあります。都内や千葉県などに比べると係留場所には恵まれており、関東の中では船は持ちやすいほうです。しかし、逗子葉山エリアはおそらく日本でも屈指の高級マリーナしかないエリア。ちょっと調べたら、契約時に400万円、1カ月20万円とか……。とてもじゃないけど、一介のサラリーマンには手が出せません。

 最大の問題は「ランニングコスト」です。係船料に加えて、中型の船に乗って外洋を走れば、ガソリン代だけで1日3~5万円。メンテナンスや、陸置きだと船の上げ下ろしにも1回ごとにかかります。まだ引っ越したばかりの身。生活が落ち着くまでは贅沢な遊びもはばかられます。さすがに今の状況で船を持つには無理がありました。というわけで検討は終了です。

 お金持ちになるまで、船はサヨウナラーー

ミニボート+艇庫という選択肢! コスト格安で夢のボートオーナーに!

 とはいえ、もう少し気軽な船の持ち方はないかなぁ……ということで、

 【船 逗子 葉山 安い】
(→検索……はっ! 無意識に!!)

 すると、あるサイトに目が止まります。それは、エンジン付きのスモールボートを保管し、目の前のビーチからすぐに出航できる、逗子のボート艇庫でした。

 その月間保管料金は、1万6000円~(10フィート:約3mまで)!

 メカニック常駐で、メンテナンスやガソリン供給、トラクターでの上架もしてくれて、早朝出船もOK。船台の貸し出しや氷まで無料で提供してくれるという、素晴らしいサービスです。さらに、その艇庫のSNSを見ると、なんと中古のボートも販売していました。このときはたまたま、4艇くらいが出ており、なかには艇庫の2年契約をすれば無料で提供というボートも。

HOPE PUKAPUKA 4人乗り ダブルデッキ(二重底) カタマラン(双胴型) 9.8馬力エンジン付き
HOPE PUKAPUKA 4人乗り ダブルデッキ(二重底) カタマラン(双胴型) 9.8馬力エンジン付き

 これなら持てるかもしれない! ということで、すぐにアポをとってボートと艇庫を見に行くことに。

 艇庫までは自宅から自転車でたった10分の距離です。早速見せてもらった中古のボートは、無料のものから波切りよく走るものまでそれぞれ特徴が異なります。説明を受けながら見比べました。条件として、ボートで釣りに行くのは、ファミリー用途が多いので、安定性のよいボートが希望である旨を伝えました。

 「であれば、これ一択ですね」と見せてもらったのが、この船。

 魚探を取り付けるための振動子(音波センサー)や、チェア、折り畳み式の屋根など、いろいろな艤装(ぎそう)もコミコミでした。

 気になる価格は、艇庫での月額契約を結べば、格安(中古の原付バイク程度)で提供してもらえるとのこと。また出船したときのランニングコストも確認しました。9.8馬力のエンジンは10Lのレギュラーガソリンを積んで走ります。

 走り方にもよりますが、艇庫から出て半日走り回って(だいたい8km圏内くらい)も、使い切ることなく3Lくらい余る感じだそうです。あとは砂浜からはトラクターを使って上架しますが、これが1回1000円。だから1回あたりの出船のコストが約2000円~2500円というところ。自転車で行くから、駐車場代はなし!

スピードにのって滑走状態になれば、28km/hくらいで、海の上を滑るように走ります。
スピードにのって滑走状態になれば、28km/hくらいで、海の上を滑るように走ります。

 そんなわけで、僕のやりたいことと、懐事情にも見事にマッチ。家族も賛成で、即契約でした。11フィートの9.8馬力は船舶検査が必要なサイズ。登録のために船の名前が必要となりました。大漁になるよう縁起の良い字画まで調べ(笑)、うちの息子の名前にちなんだ名前にしました。

登録欄に書かれた名前は……

「汽船 おちから丸」

 このあと2週間後の納船を待ち、いよいよ出船です!

 僕らのプチ移住は、この「おちから丸」を中心にして、想像を遥かに超えた発見と、楽しすぎる出来事が連続していくことになります。このスモールボートライフを、さまざまな釣りの醍醐味とともに、これからお伝えしていこうと思います。

Gallery 【画像】マイボートを手に入れたらこんな生活? 釣り三昧で楽しさいっぱい!(12枚)

RECOMMEND