見た目は激変も快適性は「さすが!」 トヨタ新型「クラウン」は“しっかりクラウン”してました
ガラケーからスマホになったくらいの大変化
正直いって、トヨタ新型「クラウン」のクロスオーバーには驚かされた。これまでのクラウンの概念が通じないほどの大変化を遂げたからだ。

まずはスタイル。大径のタイヤ&ホイールを履いてリフトアップされたクロスオーバースタイルも斬新だが、デザインそのものも実に凝っている。これまでのクラウンが重視していた“威厳”や“重厚感”は脇に置き、ダイナミックなラインで構成されたフォルムは見るからに新しさを感じさせる。
真横から眺めるとハッチバックかと思えるほどのクーペフォルムだし、細いヘッドライトやリアのコンビネーションランプも斬新。その上で、ルーフやボンネット、リアランプ周りを黒く塗りわけた一部のカラーリングも大胆だ。新型のルックスを見て「クラウンらしい」と感じる人はいないだろう。これまでのクラウンがガラケーだとすると、新型はスマホになったくらいの変化がある。
メカニズムも大きく変わった。従来モデルまでのクラウンは、クルマを上から見た際にエンジンを縦向きに搭載した後輪駆動レイアウトを採用していたが、新型はクラウン史上初めてエンジンを横向きに搭載した前輪駆動レイアウトを基本とし、全グレードとも後輪をモーターで駆動する電気式4WDを採用する。
シャシは「カムリ」などに使われる“GA-Kプラットフォーム”をベースとしているが、実際のところはエンジンルーム周辺こそ「ハリアー」のそれに近い構造ではあるものの、エンジンルームとキャビンを隔てる隔壁=バルクヘッドから後ろはほぼ新設計となっている。その理由について開発陣は、セダンらしい居住性を確保するためと、高性能な「RS」系グレードの後輪に高出力モーターを組み合わせる“eAxle(イーアクスル)”ユニットを搭載するためだと語る。一部には「カムリと同じプラットフォームか」と揶揄する向きもあるが、実際のところはクラウン専用のプラットフォームといっても過言ではなさそうだ。
そんなシャシに搭載されるパワートレインは、全グレードとも4気筒エンジン+モーターのハイブリッド。主力は最高出力186psを発生する2.5リッター自然吸気エンジンにモーターを組み合わせたタイプだが、RS系グレードには272psを発生する2.4リッターターボエンジンにモーターを組み合わせた“デュアルブーストハイブリッド”なる心臓部を搭載する。
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