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針葉樹と広葉樹の違いは? 「グネ薪」って何? 知らないと損する薪の選び方

●広葉樹と針葉樹の使い分けが肝心

 ご存知の通り、樹木には広葉樹や針葉樹の2種類があります。針葉樹ならスギやマツなど、広葉樹ではケヤキやクヌギ、ナラ、カシなどが薪に適しています。

 今回話しを聞いたのは、千葉県柏にある薪の専門店「薪のPEN」。代表の園ペータルさんは、「針葉樹は早く燃え、広葉樹はゆっくり燃える、というのが薪選びの基本中の基本です」と説明します。

千葉県柏にある薪の専門店「薪のPEN」を営む、園ペータルさんと斉藤絢香さん。焚火が好きすぎて薪の専門店を開業した筋金入りのキャンパーが扱う薪は焚火マニアの支持を集めています
千葉県柏にある薪の専門店「薪のPEN」を営む、園ペータルさんと斉藤絢香さん。焚火が好きすぎて薪の専門店を開業した筋金入りのキャンパーが扱う薪は焚火マニアの支持を集めています

●良質な薪なら広葉樹からスタートできます

 針葉樹は油分を多く含み、柔らかいため細く割って焚きつけを作るのも簡単なので、焚火のスターターに選ぶのが基本。「うまく着火できない」という初心者は、最初に広葉樹を燃やそうとしていることが多いようです。広葉樹を足すのは、焚きつけの針葉樹の炎が安定してからがセオリーです。

「繊維の密度が高い広葉樹は着火しにくいですが、一度火がついたらじっくり燃え続けます。針葉樹で着火し、その後は広葉樹でゆったり楽しむというのが焚火の基本。ですが、薪のPENでは広葉樹もしっかり乾燥して仕上げているので、焚きつけに針葉樹がいらないほど着火しやすくなっています」(園さん)

 針葉樹が活躍するのは着火時だけではありません。火にくべると強い炎がすぐにあがるので、料理で強火にしたいときや、急な冷え込みで即暖を取りたいときなどは針葉樹が便利なんです。

「よく乾燥させた針葉樹は、ハゼも少なく香りがよいのも特徴で、炎が大きく勢いのある針葉樹を好んで使うマニアの方も多いんです。ですが、広葉樹に比べてススが出やすく、使いすぎると鍋が黒くなってしまうので要注意です」(斉藤さん)

左が広葉樹、右が針葉樹の原木の断面。広葉樹の繊維の方がより密集しているのがわかります。針葉樹は油分が多いので燃やすと火力が強い半面ススが多く出ますが、広葉樹はススが少なめで穏やかな炎が楽しめます
左が広葉樹、右が針葉樹の原木の断面。広葉樹の繊維の方がより密集しているのがわかります。針葉樹は油分が多いので燃やすと火力が強い半面ススが多く出ますが、広葉樹はススが少なめで穏やかな炎が楽しめます

●様々なサイズを使いこなそう

 長い一本の原木から切り分けられる薪には、長さや太さなどサイズのバリエーションがあります。キャンプ場の売店やアウトドアショップでよく見かけるのが、全長35cmほどの「フルサイズ」と呼ばれる薪。ソロ向けの極端に小さな焚火台でなければ、このサイズでOKです。

「薪のPENで人気なのが、“コロ薪”とよばれる小さな薪。フルサイズを切りそろえる工程で発生する“切れ端”なのですが、コンパクトなブッシュクラフト用の焚火台にジャストフィットするなど、すごく使い勝手がいいんです。最近ではコロ薪を指定されるリピーターさんも増えました」(園さん)

 コロ薪は、コンパクトなサイズを活かし、「そろそろ寝るけど、もう少しだけ暖を取りたい」など、短い時間だけ炎を楽しむためにチョイスするのも賢い使い方なのだそうです。

 初心者にとって気になるのが、薪の量。使い方や人数、焚火台のサイズにもよりますが、一晩で15kg前後を目安に、少し多めに用意しておくのがおすすめです。

●薪の個性を味わいたい

「個人的な好みなんですが」と、薪のPENの斉藤さんが推すのが、“グネ薪”と呼ばれる節のある部位。

繊維が不揃いだったり、節に当たる歪んだりしている“グネ薪”は、見かけこそ歪ですが、燃え方に個性があるため焚火マニアから指名買いされるほどの人気
繊維が不揃いだったり、節に当たる歪んだりしている“グネ薪”は、見かけこそ歪ですが、燃え方に個性があるため焚火マニアから指名買いされるほどの人気

「節などでグネグネと曲がっている“グネ薪”は、少々不格好なので通常の出荷分からは除外している薪です。節や曲がりの部分は通常の薪に比べ繊維の密度が異なるのか、燃え方や炎の色に個性があって見飽きないんです。自分はあえてグネ薪を選んで焚き火を楽しんでいますが、最近ではじわじわと人気が上がっています」(斉藤さん)

 樹木の種類によって燃えるときの香りにも個性があるのだそう。樹種や部位、長さなど、自分の好みの薪を見つけ、質にこだわるのもまた焚火の楽しみの一つなのです。

薪のPEN

Gallery 【画像】焚火がもっと楽しくなる薪の選び方(8枚)

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