コルベットのエンジンを積んだランドローバー「ディフェンダー」は元F1チャンピオンが仕立てた愛車でした
落札されたのは元F1チャンピオンの愛車
2022年末、至極贅沢な1998年式のランドローバー「ディフェンダー」がアメリカのオークションで落札されました。
落札価格が9万4500ドル(約1230万円)に達したこのおしゃれなディフェンダー、実は前オーナーが元F1チャンピオンのジェンソン・バトンさんというタダモノではないモデルでした。

クルマを購入するに当たって、最も贅沢なことは「自動車メーカーに自分好みのクルマをつくってもらうこと」でしょう。
しかも、新車購入時にオプションを選んで……というレベルではなく、文字どおり「自分だけの“ワンオフ”のクルマをオーダーメイドでつくってもらうこと」です。
その次に贅沢なことは、「愛車を自分好みにドレスアップやカスタマイズすること」でしょう。想像力と技術力がモノをいい、予算は青天井です。高級車のイメージとはかけ離れているかもしれませんが、チューニングカーだってものすごく贅沢なクルマです。
そうした視点から見れば、バトンさんのディフェンダーを落札した人は、賢い買い物をしたのかもしれません。何しろ、元F1チャンピオンが仕立てた贅沢なモデルが、新車の「レンジローバー」よりも安く手に入ったのですから。
●元F1チャンピオンが選んだタダモノではない内外装
鮮やかなブルーのボディカラーに目を奪われるかもしれませんが、実はこれ、ランドローバーの純正色。ベロシティブルーと呼ばれるものです。そして18インチのワイド合金ホイールには、285/60R18のBFグッドリッチ製の「オールテレインT/A K02」タイヤが装着されています。
エクステリアでタダモノではないことを感じさせるのは、リアの両側から顔をのぞかせるエキゾーストパイプでしょう。なんとこのディフェンダー、シボレー「コルベット」用の6.2リッター自然吸気V8エンジン(LS3型)を搭載しており、6速ATと組み合わせられているのです。
エンジンスターターはプッシュボタン式で、ATセレクターもボタン式です。ダッシュボードは、日本に正規輸入されませんでしたが、ファンの間では“プーマ”として知られているフォードエンジンを搭載したモデルのものに入れ替わっています。
フロントにはレカロ製バケットシート、リアには“プーマ”のフォールディングシートがおごられています。ダッシュボードの一部とドアカードには、エクステリアに合わせてブルーのパイピングとブルーのコントラストステッチが施されたブラックレザーが使用されています。また、ヘッドライナーにはアルカンターラが貼られています。
内外装の好みは十人十色かもしれませんが、ハードウェアは元F1チャンピオンが選んだという信頼感があります。
フロントにはHD製ショックアブソーバー、リアにはFOX製パフォーマンスショックアブソーバーとHD製フロントスタビライザーのほか、新しいエンドリンクとステアリングバーで強化されています。オフロード性能は優秀でも、この頃のディフェンダーのオンロード性能は決して褒められたものではありません。このアップグレードがどのような走りをもたらすのか気になります。
2022年8月には、一般整備に加えてハードウェアのリフレッシュ、そして、エンジンやトランスミッションにチューニングが施されたばかり。バトンさんがプロデュースしただけでなく、愛車として乗っていたこのクルマを手に入れられた新オーナーがうらやましい限りです。
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