VAGUE(ヴァーグ)

素っ気なさが心地よい――スペインのミニマム系ナイフ「ジョーカー」愛が止まらない

●ツーリングキャンプ系フルタングナイフの終着点か

 ノルディコは、スペインのバスク地方に本拠地を置く、1987創業のジョーカーナイブスのプロダクト。

「スーパーカブのソロキャンツーリングに合う、焚き火用フルタングナイフ」を探していたところ、その名の通り北欧風の無駄のないスタイルと、白樺のように清楚なマイカルタハンドルを採用した本作を見つけ一目惚れしました。

一本一本職人によってハンドメイドされるジョーカーのナイフ。為替の影響で値上がり傾向ですが、筆者が購入した2022年で1万円台なかばと、堅実な作りのわりに値段もお手ごろ
一本一本職人によってハンドメイドされるジョーカーのナイフ。為替の影響で値上がり傾向ですが、筆者が購入した2022年で1万円台なかばと、堅実な作りのわりに値段もお手ごろ

 ジョーカーと言えば、2022年に爆発的人気を博した、全長250mmのブッシュクラフト用フルサイズモデルの「ノマド」で名を馳せたブランド。それに比べ全長220mmのノルディコはかなりコンパクトです。

 ですが、長さ95m、刃厚3.7mmのブレードが、ぴったり30°でフル・スカンジグラインドに削り上げられている事実は「ミニマムでもバトニングなら薪も割っちゃうよ」というブランドのメッセージにほかなりません。

 事実、刃厚は控えめでも、一旦薪に食い込んでしまえば刃の両脇で繊維を切り裂くスカンジエッジは、バトニングすることで広葉樹でも無理なく真っ二つにしてくれます。

 とはいえ、丸太をひたすら割って薪を量産するような使い方には向くはずもなく、小割にし、フェザーを作る作業が得意分野。そういえばブッシュクラフトの祖であるデイブ・カンタベリーも「斧の作業をナイフですべきではない」と言ってましたっけ。

このくらいのサイズの薪ならバトニングで簡単に割ることができます
このくらいのサイズの薪ならバトニングで簡単に割ることができます

 実際のところ、自分が訪れるキャンプ場では質の高い薪が用意されていることが多く、ナイフ一本で丸太と格闘するなんていうハードモードはまれ。ですが、もしものときに役立つお守りとしてキャンツーに連れていくのにちょうどよいサイズなのです。

 機能に加えデザインもミニマム。まるで石器時代の刃物のような素朴なドロップポイントを眺めていると「自分の祖先もこんな形の刃物を使ったに違いない」と、遠い過去に思いを馳せてしまいがちです。

 そうかと思えば三陸の海女さんが使う牡蠣剥きナイフに似てなくもないですが、そんな素っ気なささえも愛おしいもの。ナイフの実力は妥協しなくても、スタイルは控えめであってほしい。そんな人にオススメしたい一本です。

●製品仕様
・全長:約220mm
・ブレード長:約10.1cm
・ブレード厚:約3.7mm
・ブレード鋼材:SANDVIC 14C28N ステンレススティール
・ハンドル素材:ナチュラルマイカルタ
・シース素材:レザー
・本体重量:約190g
・製造国:スペイン

Gallery 【画像】スペインのジョーカーが手がける「Nordico(ノルディコ)」を見る(7枚)
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