バイデン大統領にドラッグレースを挑んだシボレー「コルベット」元オーナーは第65代の国務長官でした
パウエル氏の“日常の足”だったコルベットがオークションに
かつてアメリカの国務長官を務めた故コリン・パウエル氏の愛車が、2023年1月末、「バレット・ジャクソン」が主催したオークションにチャリティ出品されました。

ジョージ・W・ブッシュ政権下のアメリカで第65代国務長官を務めたパウエル氏は、古いボルボを複数台所有していたほか、メルセデス・ベンツ「230SL」(W113型)を所有していたことで知られています。“911”(世界貿易センタービルのテロ)前の話ではありますが、2001年の国務長官就任初日には、クライスラーの「PTクルーザー」に乗って出勤したそうです。今なら保安上、許されないでしょうね。
そんなパウエル氏、第一線を退いてからは2015年式のシボレー「コルベット」(C7)にお乗りだったそうです。今回のオークションにチャリティ出品されたのは、まさにこのクルマです。
パウエル氏は晩年、2年近く多発性骨髄腫の闘病生活を送ったほか、パーキンソン病とも戦っていたといわれています。当該車両は1万5600マイル(約2万5106km)走っていますから、主催者のコメントにあるように本当にお元気な頃は“日常の足”として使われていたのかもしれません。
実はこのコルベット、パウエル氏がクリスマスに息子さんのマンションを訪れた際、リボンがついた状態で駐車場に停められていたそうです。子どもたちがそろって「メリークリスマス!」というので、当然、彼らからの贈り物かと思っていたら……数日後、パウエル氏宛に請求書が届いたといいます。
●大統領となったバイデン氏とのリベンジマッチ
しかもこのコルベット、アメリカの人気コメディアンでクルマ好きのジェイ・レノ氏が司会を務めるテレビ番組内で、当時のバイデン副大統領が所有する1967年式シボレー「コルベット コンバーチブル」(C2)とドラッグレースをしているんです。
バイデン大統領の父親はその昔、シボレーのディーラーを営んでおり、大統領の結婚祝いとしてプレゼントされたコルベット コンバーチブルを現在も所有しています。
元国務長官と現役アメリカ副大統領による新旧のコルベット対決、アメリカでは相当な話題となりました。気になる勝負は、パウエル氏によると“編集”でバイデン副大統領に軍配が上がったそうです。日本の現役総理大臣や元閣僚がドラッグレースなんて……想像できません。
パウエル氏は2021年10月18日、新型コロナウイルス感染症の合併症によりこの世を去りました。そして2022年12月、パウエル氏のコルベットを相続した息子さんが、大統領になったバイデン氏にリベンジマッチを挑み、見事に勝利を飾りました。なんだかほっこりする話ですね。
アメリカの大統領と副大統領は在任中、公道での運転はシークレットサービスにより禁じられています。現役を退いた後も、大統領はずっと、副大統領は6か月間、特殊運転トレーニングを受けたシークレットサービスのエージェントが運転します。理由はもちろん、保安のためです。クルマの運転が好きな人にとっては、なかなか厳しい制限ですね。
ちなみにオバマ元大統領は、在任中、ホワイトハウスのある職員が当時登場したばかりの電気自動車をホワイトハウスに乗りつけた姿を見て、それを運転したそうです。シークレットサービスのエージェントはざわつき、「何があってもホワイトハウスの敷地内から大統領を出すな!」という無線が流れたとか。
またブッシュ元大統領は、アメリカ屈指の富豪にもかかわらず、フツーの“テキサス人”を演じるのがお好きなよう。別荘の敷地内でフォード「F150」のステアリングを握っていらっしゃるそうです。
なお、故パウエル氏の2015年式コルベットは、相場とはかけ離れた20万ドル(約2680万円)で落札されました。まさに“ノブレスオブリージュ”精神の表れですね。
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