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もはや反則技! メルセデス・ベンツ「190Eエボ2」は、2500万円で落札!!

打倒BMW M3! 小ベンツ「190E」の開発の歴史

 レースにはさまざまなカテゴリーが存在する。その頂点に位置するのはもちろんF1だが、人気という点ではこのF1に匹敵するのがツーリングカー・レースだ。

 ツーリングカー・レースは、だいたいの場合において市販車をベースにしたマシンで競われるものが、その歴史の始まりは1950年代にまで遡ることができる。

 その後グループ5やグループAといったカテゴリーのモデルが主役となり、さらに1984年にはドイツで現在でも多くのファンを持つ、DTMの開催が始まる。最初にDTMの専用マシンを開発し、選手権を獲得したのは、「M3(E30型)」を投じたBMWだった。

  • 「190E 2.5-16エボリューション2」の出で立ちは、いま見ても迫力のある姿だ(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 DTMは販売に直結するレースだったため、ライバルの各社もM3には注目した。とくにメルセデス・ベンツのライバル心は凄まじく、DTMがスタートした1984年にデビューした「190E」のセールスにさらなる加速度を生み出すために、DTMの参戦を即座に決意する。

 ホモロゲーション・モデルとして1986年に誕生したのは、「190E 2.3-16」である。

 コスワース製の185psを発揮する2.3リッター直列4気筒DOHC4バルブエンジンを搭載し、独自のオーバーフェンダーやフロントスポイラー、リアスポイラー等々で武装するが、残念ながらより軽量なM3を相手にタイトルを奪取することはできなかった。

 ちなみにこの2.3-16は限定車ではなく、日本にもスポーツ志向の強いカスタマーのために数多く正規輸入され、高い人気を博すこととなった。

 この2.3-16の後継車として、1986年に登場したのがエンジン排気量を2.5リッターにまで拡大した「190E 2.5-16エボリューション1」だ。

 実際にDTM用に各部が改良されたレーシング・スペシャルの190E 2.5-16 エボリューション1の発表は1989年シーズンを前におこなわれた。

 エンジンはオリジナルの2.5-16からさらにショートストローク化され、195psにアップされた。しかし、それでもメルセデスは選手権を獲得できず、さらに2.5-16の改良と熟成を続けることになったのである。

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