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「ル・マンを制したアウディ」を入手するチャンス!? ルクセンブルクで販売中「栄光のマシン」の状態とは

ディーゼルターボでル・マンを制したチャンピオンマシン

 2011年のル・マン24時間耐久レースでクラス優勝を飾ったマシン、アウディ「R18 TDIウルトラ」が、なぜかルクセンブルクのショップにて絶賛販売中です。

ルクセンブルクのショップ「ART & REVS」で絶賛販売中のアウディ「R18 TDIウルトラ」(C)ART & REVS S.A.
ルクセンブルクのショップ「ART & REVS」で絶賛販売中のアウディ「R18 TDIウルトラ」(C)ART & REVS S.A.

 2011年、アウディはル・マン24時間耐久レースのLMP1クラスに3台のマシンを投入。2006年以来、久しぶりのポールポジション獲得という活躍が話題になりました。レースでは2台のマシンがクラッシュでリタイアするものの、1台はクラス優勝を獲得。そのときのマシンは、アウディ「R18 TDIウルトラ」と呼ばれていました。

「R18 TDIウルトラ」は、2010年12月10日、ドイツ・インゴルシュタットのアウディ・スポーツパークで発表され、翌夏のル・マン24時間耐久レースでマルセル・フェスラー、アンドレ・ロッテラー、ブノワ・トレルイエが優勝へと導きました。

「R18」は先代同様、ターボチャージャーつきディーゼルエンジンを採用していました。従来の「R15」が搭載していたV10エンジンより最高出力は控えめになったものの、3.7リッターV6ディーゼルエンジンの最高出力は532psを誇ります。25kgの軽量化が図られたとともに、燃費性能も向上。ル・マンのような過酷な耐久レースにおいては、軽量化と省燃費化は勝利に欠かせない要因です。

「R18 TDIウルトラ」とそれまでのアウディLMPエンジンとの大きな違いは、V6ディーゼルエンジンに可変タービンジオメトリーのギャレットTR30Rターボチャージャーを搭載していたことです。エキゾーストはターボチャージャーが配置されたシリンダーバンクに向かって“ホットV”構造になっています。当時、開発陣は『「R18 TDIウルトラ」で培ったディーゼルターボ技術を市販車にも反映させる』と意気込んでいましたが、時代は変わるものですね。

●現存車両で唯一の走行可能なマシン

 今回、ルクセンブルクのショップで販売されている「R18 TDIウルトラ」は、シャシーNo.100のマシン。これはテスト用、FIAのホモロゲーション用に使用されたものだといいます。ル・マンの後には、ILMC(インターコンチネンタル・ル・マン・カップ)のいくつかのレースで“リザーブカー”として使用されました。

 シャシーNo.100の「R18 TDIウルトラ」は、現役を退いた後、撮影用車両として2013年のハイブリッドマシン「R18 e-tron クワトロ」のエクステリアに刷新されています。実に数奇な運命をたどったマシンですね。

 その役目を終えるとアウディ・スポーツでリビルドされ、2011年仕様に戻されました。なお、「R18 TDIウルトラ」のエンジン寿命は約1万km、ギアボックスのそれは7000kmといわれています。

「R18 TDIウルトラ」は8台が生産され、2台はル・マンでのクラッシュで廃車となっています。シャシーNo.100は残る6台のうちの1台ですが、唯一、ECUを搭載しており、走行することができます。現存する他の5台にはECUがなく、ディスプレイ用として販売されたそうです。ということは、2011年にル・マンを制したシャシーさえも、ECUは抜かれていたんですね……。

 販売業者いわく、「R18 TDIウルトラ」は後に登場したハイブリッド車よりも使い勝手やメンテナンス性が格段に優れているのだそうです。この手のレーシングマシン、本気で走らせるならクルマ1台分のスペアパーツも必須ですが……。ちなみに走らせる際には、エンジニアをアウディ・スポーツから呼び寄せることになりそうです。

 もっとも、こんなクルマに手を出せるのは、ごく一部の超絶富裕層に限られるでしょう。ちなみに価格は「お問合せ」なので、興味がある方はぜひ! ル・マンを彩ったプロトタイプカーの黄金時代を追体験できますよ!

Gallery 【画像】ルクセンブルクで絶賛販売中! ル・マンウイナー「R18 TDIウルトラ」の状態を画像で見る(9枚)
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