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カワサキ「Ninja」栄光のヒストリー…映画『トップガン』で人気を得た「GPZ900R」がルーツの名車たち

当初は北米向け輸出モデルの呼称だった

 現在、カワサキのフルカウルをまとったスポーツバイクには、ほぼすべて「Ninja(ニンジャ)」の名が与えられています。しかし「Ninja」といえば、かつては特定のモデルを指す名称だったことをご存じでしょうか?

カワサキが展開する人気ブランド「Ninja」。その名を初めて冠したのは1984年に誕生した「GPZ900R」の北米仕様だった
カワサキが展開する人気ブランド「Ninja」。その名を初めて冠したのは1984年に誕生した「GPZ900R」の北米仕様だった

 その特定のモデルこそ、1984年に誕生した「GPZ900R」。北米向けの「GPZ900R」に「Ninja」の名称が初めて与えられたのです。

 命名のきっかけとなったのは、北米カワサキが「名称を『Ninja』にしよう」と強く主張したため。「GPZ900R」は水冷の4気筒エンジンを搭載し、当時としては最高峰の動力性能を持つモデルでした。そのため北米カワサキのスタッフは、当時のアメリカで俊敏なスーパーマンのようなイメージを持たれていた忍者=ニンジャを車名に使いたいと考えたようです。

 こうした経緯もあって、当初、「GPZ900R」に「Ninja」の名称が採用されたのは北米向けモデルだけでした。ヨーロッパ向けの輸出モデルの名称は「GPZ900R」のままで、国内向けの「GPZ750R」(当時、国内モデルの排気量上限は750ccでした)にも、車体に「Ninja」のロゴは入っていませんでした。

 そんな中、「GPZ900R」が一躍有名になる出来事が起こります。1986年公開の映画『トップガン』でトム・クルーズが乗ったことから大ヒット。「Ninja」の呼称も一気に広まり、北米向けのモデル以外にも「Ninja」のロゴを貼るというカスタムが定番となりました。

 ちなみに、「Ninja」のロゴの周囲がギザギザにかすれているのは、日本からロゴの画像をFAXで送ったため、ジャギーが出た状態のまま使われたから……なんて裏話もあります。

●その名をサーキットにもとどろかす「Ninja」

「Ninja」の名称で「GPZ900R」がヒットしたことに気をよくしたのか、カワサキはその後継モデルである「GPZ1000RX」(1986年)やシリーズモデルである「GPZ400R」(1985年)などにも「Ninja」のロゴを採用します。さらに、1987年登場の「GPX250R」は、後期型に「Ninja」のロゴステッカーを貼ってから人気がさらに高まるといった現象も生じました。

 そんな「Ninja」のブランドバリューを確固たるものにしたモデルは何か? いろいろ意見は分かれそうですが、筆者は1994年に登場した「Ninja ZX-9R」と、翌1995年に登場した「Ninja ZX-6R」だと考えます。

 どちらもクラスをリードする運動性能を備えたスーパースポーツバイク。「GPZ」シリーズ(と後継モデルである「GPX」、「ZZ-R」シリーズ)は、動力性能が高いとはいえツアラーバイクだったのに対し、「Ninja ZX-9R」と「Ninja ZX-6R」は現代に続く「ZX」の名を冠したスーパースポーツにも「Ninja」のブランドを波及させた立役者といえます。

 さらに2004年、「Ninja ZX-9R」はサーキット最速を目指した「Ninja ZX-10R」へと生まれ変わります。市販車ベースのマシンで争われる「スーパーバイク選手権」の排気量上限が750ccから1000ccへと拡大されたことがきっかけとなり、「Ninja」ブランドの名声はサーキットでも不動のものとなります。

 250ccクラスからリッターオーバーのモデルまで(かつては150ccの2ストローク車も存在しました)、いまやカワサキのスポーツバイクを意味するブランド名となった「Ninja」。2020年には250ccクラスで久々の4気筒モデル「Ninja ZX-25R」を投入し、2023年には400cc4気筒エンジンを搭載する「Ninja ZX-4R」も登場を控えています。「Ninja」は今後もイメージリーダーとして、カワサキのスポーツバイクラインナップを牽引していくことでしょう。

Gallery 【画像】映画『トップガン』で一躍有名になった名車に始まる「Ninja」の歴史を画像で見る(14枚)
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