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タイ発のラグジュアリー・ホテルが京都に上陸! 「デュシタニ京都」と「アサイ四条」の新しさとは?

●知られざる日本とタイのホテル文化と縁

 外資系のホテルはこれまでにも多々あったが、アジアから日本への進出はエポックメイキングな出来事といえよう。会見の冒頭で挨拶に立ったシントン・ラーピセートパン大使によれば、タイで観光は3兆バーツ(約11兆6400億円)の規模をもつ産業で、全雇用に占める11%を創出しているとのこと。

 コロナ禍の直前の2019年、タイを訪れた日本人観光客は180万人、逆に日本を訪れたタイ人は130万人で、デュシット・インターナショナルの京都進出は日本市場への信頼の表れであり、タイ文化の新たなショーケースとして、両国の交流の増加と、日本の観光産業への貢献を期待する、と述べた。

ASAI(アサイ)京都四条のイメージ
ASAI(アサイ)京都四条のイメージ

●東京とタイ、それぞれのヴィンテージ・ホテルの起源

 続いて会見したのはデュシット・インターナショナル・グループの最高経営責任者であるスパジー・スタンパンCEO。

 アサイ京都四条とデュシタニ京都を通じて、デュシットの日本進出をアナウンスできること誇りに思うと、切り出した。というのもデュシットの本拠地であるデュシタニバンコクの建築は、ホテルオークラ旧館を設計監理した建築家、故柴田陽三の観光企画設計社が手がけていたのだ。

 これはホテルオークラの初代社長だった野田岩次郎と、デュシットの創業者で2019年に没したタンプーイン・チャナット・ピヤウイ女史の親交によってもたらされた縁で、いずれも数年前に新たに建て直されてはいるが、ホテルオークラ旧館が1962年の開業当時に東京でもっとも高い建物だったのと同じく、1970年開業当時のデュシタニ旧館はバンコク一の高層建築だった。

 日本とタイの結びつきは過去の歴史のみならず、ホテル業界の文化になっているからこそ、デュシットならではのホスピタリティを京都にもって来られることに感慨を禁じ得ない、そういうのだ。

 デュシット・インターナショナルはタイの上場グループ企業で、ホテル&リゾート経営に不動産開発、フード関連やホテル・レストラン・サービス業教育といったホスピタリティ関連のビジネスを手がけている。

 うちホテル&リゾートについては現在、アジア地域を中心に世界25か国で50軒以上、6つのホテル・ブランドを抱えており、うち本国タイでの展開は10軒ほど。京都以外にも今年中にギリシャやオマーンや中国など、新たに開業予定の14軒を数え、契約レベルで進行中の案件も約60件もある。まさしくアジアを代表する国際的なホスピタリティ企業として、拡大中のホテル・グループなのだ。

●世界25か国に50軒以上、6つのホテル・ブランドを展開

 グループのビジネス事業の全容を説明するプレゼンを行ったのは、グローバルのヴァイス・プレジデントであり創業者の孫であるシラデジ・ドナパニック氏。グループ内のサステイナビリティ委員会の責任者であり、グループのポートフォリオの中でも最新のブランドにして京都にも上陸する「アサイ」のカルチャー責任者でもある。

●カジュアルなアサイとハイエンドなデュシタニ

 6月に京都の四条河原町近く、つまり洛中のコアに進出する「アサイ京都四条」は、グループのポートフォリオにもっとも新しく加わった、ミッドスケールのライフスタイル・ブランドという位置づけだ。

 京都エリアで同グループの統括総支配人を務め、新しいふたつのホテルを切り盛りする山下誠氏は、アサイ・ブランドはカジュアルなライフスタイルで、アクティブ層が地元にいるかのように過ごせるホテルと、説明する。街そのものを楽しむためにサービスは限定的ながら、気取らずコージーで機能的な客室や、オープンな雰囲気のレストラン&バーを備える点が、特徴となるとか。

 またアサイ京都四条は、畳をイメージしたベッド台や地元の人が集まりやすいラウンジスペースなど、随所に京都や日本らしさをとり入れるという。加えて「アサイ コミュニティアンバサダー」という、コンシェルジュ的な提案よりも踏み込んだサービスとして、お茶やアート体験、利き酒や座禅、陶芸体験といった、エクスペリエス以上のアクティビティを提案していくという。

 地元の人々にとっても、オリジナルカクテルやマンゴー、ココナツをベースとしたスイーツをはじめ、本場タイのストリート・フードが手軽に味わえるスペースとなる予定だ。ちなみにタイ語で「アサイ」とは、「地元の人と共に生きる」という意味。

 一方で9月に開業予定の「デュシタニ京都」は、グループ内ポートフォリオでアッパー・アップスケールに相当するブランドで、モダンなハイエンドという位置づけ。タイならではの優雅なホスピタリティを通じて、五感を刺激しつつ充足感に満ちた宿泊体験を提供するという。

 アユタヤと京都というふたつの古都に基づいて、直角や四角四面ではない曲線を採り入れた、柔らかな雰囲気の建築になるという。客室の数は、家族やビジネス客、一人客に向けられた全147室となる。

 デュシタニ京都のもうひとつの特長は、京都のラグジュアリー・ホテルには珍しく、京都駅からわずか850mというアクセス性の良さ。西本願寺から徒歩圏内で、市内周遊はもちろん、奈良や大阪や滋賀へのハブとしても申し分ない。

 デュシタニ京都で注目のサービスはふたつ。古代タイの療法と和のアプローチを合わせたスパ&トリートメントを提供する「デバラナウェルネス」と、バンコクの有名なミシュラン1つ星店である「ボー・ラン」のシェフ、ドゥアンポーン・ソンヴィサヴァ氏とディラン・ジョーンズ氏が監修するタイ料理レストラン「アヤタナ」だ。

 日本ではカジュアルな印象の強いタイ料理だが、宮廷料理のような正統な味わいとストリートフードの軽快で詩的なタッチを組み合わせた、刺激的な味わいが楽しめる。

ハマチのタイ風エスカベッシュながら、あえて和の野菜や味つけが感じられる仕上がり。
ハマチのタイ風エスカベッシュながら、あえて和の野菜や味つけが感じられる仕上がり。

●2つの要素を合わせてどこにもない新しさを生み出す

 そして会見の後に催されたダイニング体験では、上述のボー・ランの二人のシェフによる、王道のようで意外性に満ちた、プチ・フールの数々が供された。

 まずはスプーンに一口サイズでのせられた、エスカベッシュを思わせる白身魚の甘酢仕立て。地中海地域やフィリピン辺りの定番料理だがマリネや薄い衣揚げではなく、刺身のような生のはまちとパクチーを含む香草野菜と合わせることで、香り高く、日泰どちらのテイストも感じさせた。

 他にも、お餅に炒りごまやかぶらが優しく絡められていたり、和牛のたたきや豚の小角煮めいた柔らかなテクスチャーの中に、山椒やアニスのようなスパイスが隠されているなど、力強いがエレガントな味わいが、じつに印象的だった。

 見込まれる宿泊客の割合としては、インバウンドが6割、日本国内から4割を想定しているそうだ。いずれにせよ、和とタイ、いずれの要素をもとり入れつつも、いずれか片方だけでは存在しない優雅さや洗練を味わえる。

 そんなミックスゾーンのラグジュアリーとして、デュシタニ京都とアサイ京都四条はこれまでの日本にはなかった、新しいホテル体験といえるだろう。

Gallery 【画像】「アサイ京都四条・デュシタニ京都」発表の様子を見る(全14枚)
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