フェラーリ初の“4ドアSUV” 新型「プロサングエ」ってどんなクルマ? 725馬力のV12エンジンが生み出す走りとは
「フェラーリ・ミュージック」の表現がふさわしいエンジンサウンド
プロサングエがサルーンの快適性とスポーツカーのシャープなハンドリングを両立できた最大の秘密は、フェラーリの市販モデルとして初採用となるアクティブサスペンションにあります。

一般に量産されるモデルのなかにも“アクティブサスペンション”と銘打っている例はありますが、その多くはダンパーの減衰率を電子制御できるという意味で、アクティブサスペンション本来の意味である「各車輪の位置を車両が自発的にコントロールする機能」は備えていません。
ところがプロサングエは、電気モーターの力を使って車輪一本一本の位置を個別に制御する「ホンモノのアクティブサスペンション」を搭載しているのです。
これを用いれば、ブレーキングやコーナリングでボディが傾きそうになっても、電気モーターの力でこれを押し返してフラットな姿勢を保つことが可能。そしてボディがフラットに近い状態だと、コーナーに向けて素早く向きを変えられるので、俊敏なハンドリングが楽しめるというわけです。
いっぽうで、車輪がなにかの段差に乗り上げたときは、アクティブサスペンションが車輪を引き上げる動作をすることで路面からの衝撃を和らげ、乗り心地の改善につなげることができます。これと似たアクティブサスペンションを搭載したモデルがこれまでになかったわけではありませんが、その効果的な使い方という意味では、プロサングエが大きく優っていると断言できます。
しかもデザインは流麗で、全高が1.6m近くもあることを意識させない絶妙なプロポーションに仕上げられています。
実は、この美しいプロポーションを生み出すために、クルマの土台となるアーキテクチャーをゼロから開発したそうです。こうしたこだわりがあればこそ、SUVの実用性を備えていながらスポーツカーのようにスタイリッシュなデザインが完成できたのです。
そしてプロサングエのキャラクターを最終的に決定づけているのが、フロントに搭載された自然吸気式V12エンジンです。
この、きわめて贅沢で、そしていまやきわめて希少でもあるエンジンは、725psという圧倒的な最高出力を発揮して0-100㎞/h加速3.3秒、最高速度310km/h以上というスーパースポーツカーならではのパフォーマンスを生み出すだけでなく、まるで楽器のように美しい音色を奏でてドライバーを魅了します。
よく、フェラーリ製V12エンジンが発するサウンドのことを「フェラーリ・ミュージック」と表現しますが、プロサングエのエンジン・サウンドも、まさに“ミュージック”と呼ぶに相応しい美しさを秘めていました。
つまり、フェラーリのスポーツカーが備えている魅力をまるで失うことなく、SUVの使い勝手のよさを新たに付け加えたモデルがプロサングエなのです。言い換えれば、スーパースポーツカーにつきものだった不便さをすべて取り去った初めてのフェラーリといってもいいでしょう。
それであれば、世界中のフェラーリ・ファンがプロサングエを歓迎するのは当然のこと。しかも、プロサングエをオーダーした顧客の多くは、プロサングエを運転したこともなければ、実車を見たことさえなかったといいます。
それでも5000万円以上の大金をポンと支払ってしまうのですから、フェラーリとそのファンが絶大な信頼関係で結ばれていることは間違いないでしょう。
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