人気の“空冷単気筒”で最も楽しい!? 「世界最古のバイクブランド」が手がけた新型ネイキッドの走り味とは
空冷単気筒のスタンダードといえる完成度
空冷単気筒といえば、クラシカルなエンジンというイメージが強いもの。しかし、小型2輪販売台数において、2021年はヤマハの「SR400」、2022年はホンダの「GB350」と、2年連続で空冷単気筒モデルが販売トップと輝くなど、その人気は根強いものがあります。
そんな中、長らく空冷単気筒を手がけてきたロイヤルエンフィールドから、新しいモデルがリリースされました。1960年に登場した「Fuly(フューリー)」というモデルをオマージュした「HUNTER 350(ハンター350)」がそれです。伝統を受け継ぎつつ足回りなどを革新したこのニューモデルを早速試乗してみました。

ロイヤルエンフィールドは1901年に初号機を生産したイギリス生まれのバイクブランド。1950年代からはインドでも製造・販売され、シンプルな空冷単気筒エンジンを得意としています。前述のホンダ「GB350」も、実はインド市場でロイヤルエンフィールドに対抗するために生まれたモデルです。
ロイヤルエンフィールドには、同じ350ccの空冷単気筒エンジンを搭載した「METEOR 350(メテオ350)」や「CLASSIC 350(クラシック350)」というモデルがありますが、「Hunter 350」は前後17インチのキャストホイールを採用しているのが特徴。現代的なハイグリップタイヤの選択肢が多いだけでなく、ハンドリングもイマドキなのがメリットです。
●ワインディングに連れ出したくなる走り味
実際にまたがってみると、ライディングポジションがすごく自然で好印象。「METEOR 350」や「CLASSIC 350」はステップ位置が前方にあるためスポーツライディングを楽しもうとすると違和感があったのですが、「Hunter 350」ならコーナーが連続する峠道なども楽しめそうです。
エンジンをかけると、単気筒らしい歯切れのいいエキゾーストノートが気持ちを盛り上げてくれます。こうした排気音も空冷単気筒の魅力ですが、これまで乗ったことのあるシングルマシンの中でも、純正マフラーではトップクラスの気持ちのいい音です。
クラッチをつなぐと予想以上に低速トルクが厚く、軽量な車体を軽々と押し出してくれます。フィーリングとしては、排気量がもう少し大きいのかと感じてしまうくらいの力強さ。ロングストロークのシングルエンジンらしい低回転域での力強さが心地よく、坂道発進などでもエンストしてしまう心配はなさそうです。
アクセルを大きめに開けると、気持ちいい排気音を響かせながら加速していきます。スペック的には20psしかありませんが、トルクフルな特性なので街乗りでは想像以上に速く感じられます。
とはいえ、他車と加速を競うよりも、自分のバイクが発する官能的な音を楽しみながら加速したい感じ。個人的には、少し早めにシフトアップし、低回転での「ドコドコ」という音を聞きながらアクセルを開けていく時間が気に入りました。
今回の試乗コースは街中が中心でしたが、いい意味で予想外だったのがコーナーリング性能。前後17インチホイールの恩恵か、バンクさせると舵角のつき方が非常に自然です。そのままアクセルを開けても、前後輪がきれいに同心円を描いて曲がって行く印象。低重心の車体設計で操作が軽快なこともあって、交差点を曲がるだけでも楽しく、そのままワインディングに連れ出したくなってしまいました。
空冷単気筒をつくり続けてきたブランドならではの味わい深いエンジンと、現代的な走行性能のバランスがマッチした「Hunter 350」。これまでに乗った空冷単気筒マシンの中でもトップクラスに楽しい1台と断言できるモデルです。
●製品仕様
・価格(消費税込):65万7800円〜
・サイズ:2100×800×1055mm
・シート高:790mm
・重量:181kg
・エンジン:空冷単気筒SOHC2バルブ
・最高出力:20ps/6100rpm
・最大トルク:27Nm/4000rpm
VAGUEからのオススメ
“時を愉しむ”という究極の贅沢――カンパノラ「星響」と巡る、足利・静寂とウェルネスの旅【PR】