日本を代表するスーパーカー 日産「GT-R」は登場16年でどう進化? 2007年モデルと2024年モデルを比べてみた
現行型GT−Rは16年でどう変わった?
そして第三期となるGT-Rが、今も生産が続く現行モデルです。

現行型は2007年10月に「ニッサンGT-R」として誕生します。スカイラインの1グレードではなく、個別のモデルとなったのが最大のトピックでしょう。別名「R35 GT-R」とも呼ばれています。
エンジンは3.8リッターのV6ツインターボのVR38DETT。最高出力は353kW(480ps)、最大トルクは588Nmにも達しています。
特徴的なのは、6速のDCTトランスミッションとクラッチ、4WDのためのトランスファーを一体化して、車両後方に置く「独立型トランスアクスル4WD」を採用したこと。これによりフロントにエンジン、リアにトランスアクスルという具合に、前後のタイヤに重量物の重さを預けることになり、4輪の荷重によるグリップを最適化していました。
その方式を実現するため、フロントのエンジンからリアのトランスアクスルへと向かうプロペラシャフトと、逆にトランスアクスルから前輪へのパワーを供給するプロペラシャフトという、クルマの真ん中に前後にパワーを伝える2本のプロペラシャフトを有するという、非常にユニークな構造になっているのも特徴となります。
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そんな第三期のGT-Rですが、2007年の誕生から、今年で16年。めったにないほどのロングライフのモデルとなっています。
しかし、その性能は、今も高いレベルを保っていると言っていいでしょう。なぜならGT-Rは、ほぼ毎年のように改良が加えられており、16年にわたってブラッシュアップされてきたからです。
その結果、最新モデルでは、VR38DETTエンジンは最高出力419kW(570ps)、最大トルク637Nmにまで向上。2007年モデルよりも66kW(90ps)・49Nmもパワーアップしているのです。さらに最強バージョンの「GT−R NISMO」になると、最高出力441kW(600ps)・最大トルク652Nmにもなっています。
また、インテリアも16年の歴史の中で大きく変化しています。ステアリング、センターコンソール、インストルメントパネルはモダン化されました。
2024年モデルでは、フロントバンパー、リアバンパー、リヤウイングに空力特性を高める新デザインを採用。空気抵抗を増やすことなく、ダウンフォースを高めています。
ちなみに2024年モデルの価格は、1375万円から2138万0700円。777万円から834万7500円(当時は消費税5%)であった2007年のGT-Rと比べると、16年で価格は大きく増加しています。
今回、無事に新車外騒音規制をクリアしたGT-Rですが、試練はまだまだ続きます。
次は、2025年12月に向かえる衝突被害軽減自動ブレーキの継続生産車への義務化が待っています。カメラなどを追加して、機能を追加するのか。それとも、そのタイミングでの生産終了となるかが注目となります。
そこで気になるのが、次世代のGT-Rでしょう。現在、熱心にクルマの電動化を進める日産として、次の世代のGT-Rが続くとすれば、当然、GT-Rも電動化されるのではないでしょうか。
ただし、世の「EVシフト」の流れは確定的なのか といえば、微妙な雰囲気。炭素フリーの合成燃料という線も捨てきれません。水素燃料もあり得ます。脱炭素化は確定ですが、どんな道程となるのかは、まだまだ不明。紆余曲折があるはず。
次世代のGT-Rは、そうした時代の流れを睨みながらの話となります。脱炭素化の未来への道のりは、もう少しはっきりするまで、次のGT-Rの登場は難しいのではないでしょうか。
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