VAGUE(ヴァーグ)

“運べるサブ”から“使えるメイン”へ――弱点を強みに変えたパックロッドが「モバイルロッド」に進化する

●「しかたなく使う」から「これで釣りたいロッド」へ

 一般的にパックロッドとは、収納する際4本以上に分割するロッドのことで、「pack=荷物」という言葉が物語るよう、どちらかと言えば実釣性能より携帯性を重視したもの。マルチピースロッドとも呼ばれ、多くが仕舞寸55cm以下なので航空機の機内に持ち込んだり、オートバイやコンパクトカーに積載したりも可能なのです。

 たとえば、旅行や出張で訪れた土地で水面をみつけると、「何か釣れるかな?」と、アングラーなら誰しも思うはず。そんなときにパックロッドを用意してあれば、オフタイムに気ままな釣りが楽しめるというわけ。

パックロッドとリール、そしていくつかのリールを用意しておけば、どこへでも自由に釣りに出かけることができます
パックロッドとリール、そしていくつかのリールを用意しておけば、どこへでも自由に釣りに出かけることができます

 デメリットは、ジョイント部分が増えることで重量がかさむことに加え、キレイな曲線を描きにくくなること。ロッド本来の持ち味が薄れてしまう結果、メインロッドの予備や、旅行先でついでに釣りをするために“しかたなく”持ち歩くという、いわば控えの選手的な扱いをされていました。

 そんなパックロッドですが近年、素材の進化やアイデアで1ピースや2ピースに肉薄するだけでなく、独自の進化を遂げたモデルが登場。「モバイルロッド」とも言えるパックロッドをメインロッドに選ぶアングラーが増えているのです。

●パワフルなベイトモデルで知るパックロッドの進化

 ブランクを構成する素材が進化したことも、魅力的なパックロッドが多数生まれ始めた要因。レジットデザインがプロデュースする「WILD SIDE WSC68M-5」もそんなロッドのひとつです。

「WILD SIDE WSC68M-5」のベンディングカーブ。5ピースを接続する4つのジョイントがどこにあるかわからないほどの美しい弧を描きます
「WILD SIDE WSC68M-5」のベンディングカーブ。5ピースを接続する4つのジョイントがどこにあるかわからないほどの美しい弧を描きます

 全長6フィート8インチで、仕舞寸約46cmのスペックを持つ5ピースのバスロッドですが、ボディーアーマーなどにも採用される高機能繊維のアラミドでブランク表面をベールのように包み、カーボンファイバーをより強化しています。

 5~18gのルアーを扱いやすいミディアムアクションのベイトロッドで、オカッパリのバス用タックルとしては、バーサタイルのど真ん中。強さが必要なバスロッドはマルチピース化すると重さが際立ちがちですが、「WILD SIDE WSC68M-5」の振り心地は、言われなければマルチピースだと気づかないほど自然そのもの。

 軽いとは言え、同じブランドの同クラスのロッドを並べて振り比べれば若干もたつきます。ですが、2ピースならともかく、このロッドはグリップ込みで5ピース。これほどパワフルで軽快なバスロッドが、仕舞寸46cmで実現させた圧倒的なモバイル性能がこのモデルの魅力だと感じます。

 思い立った瞬間バッグにロッドを入れ、近所の川まで息抜きフィッシングに出かけるなんていう気軽さも、パックロッドを手放せなくなる理由です。

●ハイブリッドで生み出す唯一無二のアクション

 スピニングロッドにもパックロッドの名作が生まれています。エリアトラウト界隈で注目されている「Pentastick WILD joCARD(ワイルドジョーカー) 4LB-511R-SS」(6万500円、消費税込)は、東京・葛飾にあるロッドブランドのリチャーズが手がけるスピニングロッドです。

 「ワイルドジョーカー」は、リチャーズが手がけた定番5ピースの「ペンタスティック」にリファインをかけたチューンナップモデルで、最大の特徴は、先端部のピースのみソリッド素材のカーボンファイバーを使用していること。

 穏やかな曲がり方をするソリッド素材は繊細なエリアトラウトフィッシングに向いていますが、一般的な中空素材に比べると重量がかさみます。

 そこでワイルドジョーカーは先端の1ピースにのみソリッドを、その他には軽量・高剛性の中空カーボン素材を採用。複数ピースに分かれるという、パックロッドの宿命をあえて活用することで、軽快感と美しいベンディングカーブのいいとこ取りに成功しています。

 柔らかなキャストフィールで軽量スプーンを遠投可能で、繊細なバイトも弾きにくい。そしてフッキング後はパワー感のあるバットで自然と魚が寄ってくるという性能で一躍知名度を高めました。

 もちろん、軽量&高剛性を追い求めるロッドの最高峰がワンピースであり続けるのは事実。ですが、現代の技術で進化したパックロッドをまだ体験してないのだとしたら、かなり損をしているかもしれません。電車やバスでふらりと出かけたり、釣りの帰りにおしゃれなカフェで休憩したり。そんな釣りプラスアルファの楽しみも叶えてくれるのも、パックロッドの唯一無二の魅力なのです。

■レジットデザイン「WILD SIDE WSC68M-5」
・価格:3万9600円、消費税込
・全長:6’8″(2.03m)
・適合ルアー重量:5〜18g
・適合ライン:8〜16lb
・仕舞寸法:46cm
・アクション:MF
・継数:5pcs

■リチャーズ「Pentastick WILD joCARD」
・価格:6万500円、消費税込
・全長:5’11″(1.80m)
・適合ルアー重量:0.5〜5g
・適合ライン:1〜4.5lb
・仕舞寸法:39cm
・継数:5pcs

レジットデザイン公式サイト

リチャーズ公式サイト

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