電気自動車で悪路は大丈夫!? いま最新SUVタイプの高級EVがオフロード性能もアピールする狙いとは?
オフロード走行をコンセプトに加えたスポーツモデルが流行
2023年は、自動車メーカーにとって本格なEV元年とも言える年ではないでしょうか。
これまでの黎明期モデルから完全に脱却し、より実用的なEVが国内外の自動車メーカーから続々とデビューしています。
そのモデルは軽バンから高級SUV、ハイパースポーツまで様々なジャンルにわたりますが、注目されているのが「クロスオーバー化」です。ここ数年、高級車ブランドがSUVを続々と発表してきましたが、そのモデルはあくまでもオンロード主体であり、“まあ、未舗装路も走れるかな”という程度のものでした。
しかし2022年あたりから、本格的なオフロード走行をコンセプトに加えたスポーティモデルを発表するメーカーが増えています。これはコロナ禍という現代の人類が体験した未曾有の事態により、『グローバルウェルネス』の市場が拡大した影響があるかもしれません。

コロナ禍によって世界の人の健康意識が一気に高まり、さらに自宅待機といった体験をしたことにより、自然回帰する生き方が急速に広がっています。このようなライフスタイルの変化によってクルマのあり方も変わり、よりボーダレスな性能を持ったモデルがますます求められるようになっています。
すでに日本では、スズキ「ジムニー」やトヨタ「ランドクルーザー」が大ヒットし、他の先進国を見ても“オーバーランド”といったライフスタイルにフィットするオフロード系のクルマが人気となっています。
しかし、これは従来のオフロード4WDの人気が再燃したに過ぎません。
注目すべきはハイパースポーツカーをベースにしたオフロードモデル、「ハイパークロスオーバー」が登場していることです。こうしたコンセプトは、かつてのポルシェ「959」にもあったものですが、「911ダカール」やランボルギーニ「ウラカン・ステラート」などの発表によって、市場に新たな価値観を定着させつつあります。
そして、このニュージャンルはEVによってさらに広まることが予想されます。
たとえば、ポルシェ「タイカン4 クロスツーリスモ」はその代表例です。見た目は超ローシルエットの4ドアハッチですが、メーカーはオフロードを意識していることを明言しています。メルセデス・ベンツが先頃日本で発表した新型「EQS SUV」も、EVでありながら本格的なオフロード性能を持っていることを謳っています。
おそらく多くの人が「EVでオフロードを走れるのか?」と思うかもしれません。しかし、むしろ内燃機関よりもEVの方がオフロードとの親和性が高いと言えます。
その理由のひとつが、出力特性にあります。
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンは、混合気が燃焼室内に送られる量によって、エンジン出力をコントロールします。そのため、アクセルの踏み始めから、最大トルクが発生するまでにどうしても時間がかかります。
このタイムラグと、混合気の量を調整する難しさがあるために、オフロードドライブを一層難しいものにしてしまいます。
一方、EVはモーターであるため、スイッチをONにした瞬間にMAXトルクを発生します。
アクセルという“ボリューム”スイッチで、回転速度をコントロールしているだけです。つまり、来て欲しくない場所で急にドカンとトルクが来てしまったり、急坂の途中でトルクがなくなって登れなくなるということが理論上ありません。もちろん、標高によってパワーユニットの状態が変わることもありません。
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